IF IN DOUBT, BREATHE OUT!
Breathing and Support for Singing
based on the Accent Method
迷ったら、息を吐け!
アクセント法に基づく歌唱のための呼吸と支え
Ron Morris、Linda Hutchison著

第2章
歌の呼吸
Breathing for singing

呼吸には一連の流れがある

・生命のための呼吸、換気の呼吸(受動的な呼気)
・日常会話の呼吸(能動的な呼気)
・強められた喋り(例えば舞台台詞、叫び声、罵り言葉)の呼吸(能動的な呼気)
・歌の呼吸(能動的な呼気)。

流れに沿って先に進むにつれて、我々はより正確に呼気を管理することが必要となる。

歌うことは複雑なプロセスである。そして、発声器官を構成するパーツの間に多くの相互作用を必要とする。喉頭と呼吸システムの活動の間には密接な関係がある。歌唱は、ただ正確な管理だけではなく、強さ、持久力としなやかさの要素も必要とする。

歌の呼吸に関する中心的な考え方がシンプルで、まっすぐに見える一方で、豊富な民間伝承がそれらを取り囲み、それらのいくつかのものは現在の科学的な理解と合致していてない。

歌の呼吸に関する情報、科学とメソッドのいくつかは、以下で詳細に述べられる。
もちろん、あなたがすでに下記のボックスで概説された中心概念をよく理解しているならば、次の章に移りたいと思うだろう。


歌の呼吸の中心概念

・歌手は、意図的なコントロールに基づいた呼吸法を持つ必要がある。
・訓練された歌手は、訓練されていない歌手と同じやり方で話すための呼吸をする(HixonとWatson、1985)。
・腹筋は、歌唱の間、呼気を適切に管理するために用いられなければならない。この筋肉活動は、柔軟で動的な(dynamic)ままでなければならない。
この筋肉活動は、『支え』として知られている。
・歌唱のための支えは、緊張状態(tension)ではない。
・歌手は、必要に応じて 支えられた 空気流を使うことができなければならない。
・支えは柔軟で動的でなければならず、フレーズの全体を通じて持続しなければならない。
・呼吸管理は、理想的には無意識で成され、音楽とテキストによって操縦される。
・良い姿勢配置は、一貫して保持されなければならない。
・吸気筋と呼気筋の自然な機能と活動が使われなければならない。
・吸気は、息を吐くことに対する、自然な反射運動でなければならない。
・『Overbreathing』(「あなたが取れるだけの大きな息をとりなさい」)は、緊張状態を生み出す。この緊張状態は、調和した均一な空気流を管理することを困難にする。
・呼吸筋は、強さ、しなやかさ、連携作用と持久力を必要とする。
・腹壁のポジションに関係する歌の呼吸の3つの主要な流派が存在する:
・『ベリー・イン(腹を中へ)』
・『ベリー・アウト(腹を外へ)』
・いずれのものでもない。
・最新の調査は、『ベリー・イン』流派が科学的な基礎を最も持っていることを示している。
・教育学的な著者(例えばVennard、McKinney、WhiteとChapman)は、すべて『ベリー・イン』による呼吸管理のフォームを支持する。
・アクセント・メソッド呼吸は、この『ベリー・イン』流派に属している。
・『迷ったなら、息を吐きなさい』。


歌の呼吸に関する研究は、喉頭の仕組み、喉頭の機能、音響と共鳴への研究の急増に比べて、いくらか制限されてきた。
基本的に、我々は研究を大まかに2つのタイプに分割することができる:
・運動学的調査(Kinematic investigation)
・筋電図記録法(Electromyography:EMG)

運動学的調査は、胸壁の寸法の変化を測定する。運動学的測定において、胸壁は2つの部分に分けられる:胸郭そして横隔膜/腹部。運動学的データは、容積変化、空気流と筋肉群の活性化に関する情報を提供する。

筋電図検査の研究は、筋肉の中の電気的活性の存在を確認することを目的とする。この活性度は、能動的な筋肉収縮が起こったというしるしである。EMGは特に、どの筋肉が常に活発かを確認するのに役立つ 、しかし、EMG反応は筋収縮の力に関する正確な情報を必ずしも伝えない。

運動学的研究は、我々に歌の呼吸に関する多くの情報を与えてくれる。それらは非侵襲性であり、測定は動きを記録するために、被検者の胸と腹部のまわりでベルトを使用するか、電位差計の設置を必要とする。

初期の運動学的研究(例えばWatsonとHixon(1987)によって行われた)では、訓練されていない男性被験者は、標準的か大きな話し声に使われる呼吸と非常に似た、歌の呼吸パターンを使うことが分かった。これは呼吸管理の連続体で一貫している;歌唱(少なくとも訓練されていない被検者の)は、大声で話すか叫んでいるときに使われる呼吸に続いて起こる。WatsonとHixonはさらに、歌っているときに、訓練したものとしていない者とに差があるかどうかを測定することに興味を持った。まず最初に、6人のバリトンだけが調査されたが、他の声種は後の調査で使われた。WatsonとHixonは、キャリアを持つソリストであるプロの歌手を使った。

全体として、WatsonとHixonは、話す作業に於いては、訓練されている歌手と訓練されていない歌手の間に違いがほとんどないことが分かった。しかし、歌う作業に於いては、訓練されている歌手と訓練されていない歌手の間には有意差があった。

訓練された歌手は、肺気量(すなわち、胸郭と腹部のボリューム)の継続的な調整を示した。肺気量の変化もまた大きかった。そして、非常に多い量から始まリ、かなりの肺活量を維持した。肺活量は、どれくらいの空気が肺によって使えるかを指す。訓練された歌手は訓練されていない歌手に比較べ、歌うときに非常に大きな腹筋の作用力を使った(WatsonとHixon、1987、361ページ)。

『一般的なパターンは、被験者によって大いに異り、歌唱のために、いろいろな個々のスタイルの胸壁変位を示した。』(WatsonとHixon、1987、361ページ)面白いことに、未訓練歌手のすべてが、歌唱中の呼吸活動のために非常に似通ったパターンを使い、通常または大きい話声のときと類似していた。指導またはトレーニングが訓練された歌手の呼吸作用にかなりの影響を与えているようだ。

歌唱中の歌手の目標は、目前の作業に対して、発生する空気流と圧力が効率的であることを確認することである。息を吸い込んだ(普通のスピーチのためより歌のためのほうがより深くなる傾向がある)後は、肺気量が多くなるので、空気(それは今やいくらかの圧力下にある)は、かなり急いで肺から出ようとする。これらの条件下に於いて、呼気期の大部分で吸気筋が活動し続けているということが証明されている。それらはブレーキをゆるめながら行動して、圧力と流れのバランスをとる。肺気量が特定のポイント以下まで減少すると、呼気筋だけが息を吐き続ける役割を果たす。これらの変化は、胸郭対横隔膜/腹部の容積の違いとして、運動的に現れる。個人差にもかかわらず、主にタイミングにおいて、調査は 、あらゆる訓練された歌手が、歌われるフレーズを通して徐々に横隔膜/腹筋容積を小さくすることを示唆する。さらに、呼気サイクルの初期に、腹部活動の若干の形跡も存在する。

肺が高容量まで満たされたときの胸壁の活動に関するWatsonとHixonの記述を思い出すことは重要である。横隔膜の動きによって肺は空気で満たされる、だが、空気の一定の流れのための圧力と容積のバランスをとるために胸郭の吸気筋が主に(それだけではないが)使われる。

肺気量が高いとき、胸郭の吸気筋と腹部の呼気筋の両方が活発である。これは、矛盾するように思える:呼気筋が能動的に体から空気を押し出そうとしているのに対して、胸郭の吸気筋は活発にそれを保持しようとする。WatsonとHixonが注目するのは、訓練された歌手では、腹部の容量の全般的な縮小があり、胸郭の容積増加と組み合わされることである。彼らが言うには、歌手は、これらの高い肺気量状況において腹部の活性化によって得られる重要な効果的な働きを受ける。我々は、肋間筋が高い肺気量で最も効果的なものであるということを呼吸生理学の研究から知っている。腹筋は、そのような優位性を得るのを助けるために、故意に-おそらく胸郭での容量を等しくするため-圧力を増やしているように見える。

これは、腹筋は能動的で、胸郭の肺気量または吸気の筋肉活動に関係なく、呼気の機能を実行していることを示しているようである。この発見は、話す呼吸と対照的な歌の呼吸を説明する観点から重要である。したがって、呼気筋の活動が明らかに必要ないときでも腹部の肢帯の筋肉は、歌う『作業』のために補充される。

中間の肺気量レベルで、ほとんどの呼気力は腹部である。低いレベルで、呼気力は胸郭と腹部である。

腹部の呼気力は、横隔膜を上に移動させるのに役立つ。そして、それは横隔膜の繊維の長さとその曲率の半径を増やす。これは、吸気の力のジェネレータとして、素早く、力強く機能できるように、横隔膜を自動的に調整する(WatsonとHixon、1987、364ページ)。腹部は、横隔膜に及ぼす自動的な働きに加え、胸郭を自然に持ち上げ、穏やかな上への力を行使する。この動きはボリュームを増やし、素速く力強い圧力変化に対して、より大きくて最適の長さで、その呼気筋を配置する(WatsonとHixson、1987、365ページ)。WatsonとHixonはまた、このグループの歌手達による腹部の活動は、話すときより歌うときのほうがかなり大きかったと指摘する。これは、歌の呼吸に於ける腹壁の重要性を確信させる。

WatsonとHixonにとって、吸気で最も一般的なスタイルは胸郭と腹部の両方の容量を増加することが必要であるようだ。WatsonとHixonは、腹筋が弛緩する時、横隔膜が吸気に対して主に責任があると述べる。横隔膜は、腹部の大きな外向きの動きのための吸気の原動力とみなすことができる。これは、Bouhuysと同僚(1966)の著作、そして、吸気の間の歌手における高い経横隔膜圧力(transdiaphragmatic pressure)を実証したProctor(1968、Proctorのレポート、1980)によって、支持される。これは、活発な横隔膜収縮と一致している。

横隔膜はすべての吸気筋で最も力強くて、その動きを通して胸郭と腹部を移動させる。吸気のための横隔膜の使用は、その時胸郭を吸気の作業から除外する。その時点で、胸郭は呼気の間、圧力と息の流れを管理し始めることができる。横隔膜は、上記のように、肺気量に関係なく、腹部によって機械的に連続的に調整されることができ、次の吸気にとって素早く、できるだけ効率的に働く(WatsonとHixon、1987、366ページ)。

Watson Hixonは、吸気と呼気の移行についてのいくらかの興味深い観察をした。主要な移行は、空気で胸に圧力をかけるのを助けるために、腹筋の活性化を必要とした。

呼気と吸気の移行は、歌の呼吸サイクルの重要な部分でもある。

運動データを見るとき、吸気移行に至るまでの呼気は、腹部容量の比較的大きな増加以外、胸郭容積の縮小を示すように見える。これはほとんど横隔膜の動きによるようである。そして、それは下部の肋骨を開き、腹腔内容物を下とわずかに前に移動させる。同時に、横隔膜が下から胸郭を開くとき、胸骨はわずかに落ちるだろう。多くの歌手において、胸郭容積の若干の増加がそのあとに続くかもしれない。

これらの運動研究の結果をより簡単に要約することができる。訓練された歌手で、呼吸周期の間中、横隔膜、胸郭壁と腹部の筋肉組織に、連携され組織化された活動が存在する。それはまるで、腹筋が、呼気の間、空気で胸の加圧を助ける役で活動するのと共に、横隔膜は主に吸気に対して責任がある、そのため、胸郭は圧力と流れをより簡単にコントロールすることができるようだ。

彼らの1985年の実験では、WatsonとHixonは、男性歌手だけを使った。女性歌手を利用している同様の研究は、1990年にWatson、Hixon、StathopoulosとSullivanによって行われた。男性と女性歌手の間に有意差はなかった。

Proctorは、彼の1980年の本、呼吸、スピーチと歌(Brathing, speech and song)において、歌唱(彼自身が被検者となった)中の、胸郭と腹部の活動を査定する、かなり初期の実験を報告する。Procterは、耳鼻咽喉科学の教授で呼吸の研究者であるだけではなく、高度に訓練されたプロの歌手でもあった。歌の呼吸に関する彼の結論は、WatsonとHixonによって表されたものと著しく類似している。彼は横隔膜が主に吸気に関係し、内肋間筋は呼気期の多くの期間、圧力と空気流をコントロールする、そして、腹壁は空気の外への流れのコントロールを援助するために、内側へ動くと考えている。

Thorpeほか(2001)は、5人のプロ歌手のグループを使って充分に支えられた歌と支えられていない歌の違いを調査した。彼らが招集したのは、独りの先生によって訓練されたので、おそらく、呼吸と支えの一貫した方法に従った歌手達である。この研究は主に十分に支えられたものと支えられていない歌唱の違いに集中を合わせているが、得られた運動学的データは興味深いものである。

Chapman(共著者の1人)が、この研究において使われたすべての被験者を訓練した歌唱教師である。彼女は、『発声の開始と同期する腹部の支えの使用を強調する』メソッドを教える(Thorpeほか、2001、87ページ)。Chapmanは、この腹部の支えのために使われる主要な筋肉は、腹横筋と内外の斜腹筋であると考えている。彼女の呼吸と支えのメソッドを学ぶプロセスの一部として、原始的な音声(例えば叫び声(cries)、泣き声(sobs)、笑い声(laughs)そしてイェール)を使う。そのような音声は、自然にしゃべる筋肉内での活動が起こることで現れる。

『Chapmanはすべての歌唱が[筋肉で]支えられなければならないことを教える、しかし、歌を表出する間、筋収縮の特定の増加が側腹の部位であることは注目に値する。この側腹部の支えは、発声の間、胸郭と横隔膜の動作に安定性を提供すると思われる』(Thorpeほか、2001、87ページ)。

Chapmanも、吸気の間はこの支えが活発でないと主張する、そして、横隔膜が素速く下ることができるように、彼女は歌手に吸気の始まりで腹部の緊張を解くように求める。彼女は、これをオノマトぺ風に『SPLAT(ピシャッ)』と呼ぶ。Dinah Harris(彼女の同僚の1人)は、SPLATを次のように覚えやすい文章に言い換えた:『Singers Please Loosen Abdominal Tension(歌手達は・好む・ゆるんだ・腹部の・緊張を』(Chapman、2006、41ページ)。

Thorpeほかは、被験者達が異なるレパートリーを歌うことによって、なんらかの違いがあるにもかかわらず、被験者の呼吸パターンの間には注目に値する類似点があることを明らかにした。吸気は、胸郭容積の減少と並行して起こる腹部が拡大する迅速な操作で始まる。この操作はごくわずかな体積変化となり、非常に短い ― わずか100ミリ秒程度 (Thorpeほか、2001、90ページ)。この後、吸気は胸郭と腹部で拡大を続ける。同時に起こる胸郭の上昇と腹部の引きからなる更なる再配置が、これの後に続く。発声は、通常この調整を通して部分的に始まる。呼気は、胸郭と腹部の寸法の同時減少を続ける(Thorpeほか、2001 pp. 90-92)。

Thorpeほかは、胸郭と腹壁における胸郭体積変化が、歌手に与えられる教育的指示とよく一致する点に注目する。彼らは更に、吸気の初めで説明された逆説的な胸郭-腹部の動きは、WatsonとHixon(1985)によって引き出され、再びHixsonの1987年の本で記述されたデータと一致することに注目する。WatsonとHixsonは、広範囲にわたる種類の呼吸パターンを報告したが、彼らの研究で最も経験豊かな歌手は、 ― 胸郭と腹部のボリューム・パターンがあることが報告された、そして、それは、Thorpeほかの調査での被検者によって示されたそれらと非常に類似していた。

(p. 32)

Thorpeほかはまた、増強された支えの状態では、腹部のボリュームの減少に結合する胸郭の側方の寸法の増加がある点に注意する。『容積変化は、計画された状態のために引き起こされたより強い『支え』で増加した腹腔内圧を暗示する』(2001、102ページ)。彼らはさらに、『胸郭と腹筋の同時活性化は、声門下圧のより急速で、おそらくより良くコントロールされた変化となるだろう』と主張する(Thorpeほか、2001、102ページ)。

結論として、Thorpeほかは、『腹筋の活性化と胸郭を上げることで、弛緩状態から遠のく動きとしてそれ自体を(訳:証拠として)表す支えの使用は、腹筋活性化と胸郭を上げることと連動し、吸気の初めで呼気筋活動の迅速なかいほうにつながる』(2001、103ページ)と考えた。

Thorpeほかの研究(2001)におけるデータの一貫性は、歌手に課されるトレーニング、そして、呼吸について教えられる概念は、演奏中になされる呼吸の選択にかなりの影響を及ぼす可能性を示唆する。この研究において使われる教育学は、呼吸生理学の自然の機能にならう。吸気は、基本的に横隔膜の管理下にある。呼気の間、腹腔内圧を増やして、次の吸気のために横隔膜を調整する腹筋の活発な関与がある。発声のために必要とされる圧力は、胸郭のコントロール下にあるようである。

歌唱のための呼吸の研究の中を貫く共通のテーマは、科学的なデータから、いくらか一般化された、或いは、一般的結論を得ることができるけれども、歌手達のメソッドにおいては、ある程度の変動がある。声門下圧のコントロールは、歌の発声中の呼吸装置の主要な焦点である。何人かの歌手達は、それを達成するための特有の方法を持っているにもかかわらず、彼らのすべては、むしろ高度に熟達しようとする。

Hixonは、2009年の彼の死まで歌の呼吸機能の研究を続けた。彼の2006年の出版物、Respiratory function in singing: A primer for singers and singing teachers(歌の呼吸機能:歌手と歌唱教師のための入門書)は、彼の仕事を要約して、彼の初期の研究でなされた所説を確立する。いくつかの重要な概念、特に歌唱における胸郭と腹壁の役割、が彼の本で強調される:

(以下、編集中)

『胸郭壁と腹壁は、大部分の連続する歌唱フレーズの間、活発である… 連続する歌唱フレーズの間、胸郭壁と腹壁の両方がしぼれる、しかし、腹壁のしぼりは胸郭壁のそれより力強い』。(Hixon、2006、97ページ)[我々は直接ここで引用している;『しぼり(squeeze)』は我々が選んだ言葉ではない!]
『このように、連続歌唱に対する好ましい筋肉の戦略は、胸壁機能の効率を上昇させる。腹壁を力強く、そして、連続的に起動させることによって、横隔膜の吸気機能と胸郭壁の呼気機能が有利に働くため、胸壁の背中の形は、自動的に調整される』。(Hixon、2006、99ページ)
Hixsonは、腹壁が歌唱においてきわめて重要なことを明らかにした。Thorpeほか(2001)の仕事に基づくと、さらに腹壁がクラシック歌唱で『支え』の概念にとって極めて重要に思える。
EMG研究は、歌手の呼吸器系を評価するのに用いられた。LeandersonとSundbergは歌唱のための呼吸に関する要約した論文で横隔膜から針EMG調査結果を報告し、1988年にJaurnal of Voiceに発表された。彼らは、調査された4人の歌手が2つの異なる横隔膜活動のパターンを示すことに気づいた:横隔膜はフレーズの全体を通じて絶えず収縮しているか、あるいは、フレーズの全体を通じて全く不活発で、吸気の時だけ活動するかのいずれかである(LeandersonとSundberg、1988、4ページ)。
Watsonほか(1989)は、歌唱の間、腹筋の活動を評価するために、表面のEMGを使った。彼らは4人の男性の歌手(すべてのプロ)を使った。そして、その人たちは少なくとも10年の歌唱トレーニングを経験していた。EMGは、腹部の上で4つの部位から記録された:側面の上と下、中央の上と下。運動データは、同時に記録された(Watsonほか、1989、25ページ)。いくつかの呼吸操作に加えて、歌手は、話すこと、読むこと、ならびに2曲のスタイル的に対照的なイタリアの歌を歌を記録された:カッチーニのアマリッリ・ミア・ベーラ、そして、レグレッツィのケ・フィエッロ・コストゥーメ
Watsonほかは、換気の呼吸の間、正中部位における観察可能な活動がほとんどないことがわかった。かなりの活動は、側部位に見られるとともに、上部よりも下部でより多くの活動が記録された。(1989、26ページ)。話す作業の間、観察可能な活動は明らかに中央の部位であった。4人の被験者の3人で、高い側部位より下の側部に多くの活動があった(Watsonほか、1989、28ページ)。『このパターンは外斜腹筋、内斜腹筋、腹横筋またはこれらの筋肉のいくつかの組合せの活性化を示唆し、腹直筋の活性化はほとんどない』(Watsonほか、1989、28ページ)。Watsonほか(1989)はまた、この結果のパターンが、専門訓練または経験のない被検者のグループから得られる結果と有意に異ならないことを示した。EMGデータは、話す作業に関して、訓練された歌手と訓練されていない話者の間に有意差がないことを念頭に置けば、運動データと一致している。
歌っている間に、腹部のEMG活動の相当な増加があった。再度、高い側部位でより低い側部位で多くの活動が記録された、そして、正中部位でより側部位で大幅に多くの活動があった(Watsonほか、1989、28ページ)。被検者達は、Legreziの、Che Fiero Costumeの終わりに出てくるような、大きくて、支えられた、高いピッチの音を出す間、中央と側面部位で、高い振幅のEMG活動を示した(Watsonほか、1989、28ページ)。
もう一度、運動データはEMGトレースに一致していて、彼らの1895年の研究においてWatsonとHixonによって得られたそれらと非常に似ていた。
呼気の間、結果は以下の通りに要約されることができる:
『最も低い活性化の総体的なレベルは、リラックスすることと最高音を歌うこと関係してい。呼吸すること、話すこと、そして歌うことのために、腹部の活動は、中央部位より側部位でより大きかった。側部位の中の活性化の差は、上部を上回る下部での活動で観察された』(Watsonほか、1989、29ページ)。
腹壁のEMG活動が全く具体的だった点に注意することは重要である。そして、それは一つの電極部位記録に頼った他の研究の調査結果を疑わしくする。腹部上の一つの部位からのEMG活動の欠如が、全体として腹壁の活動の欠如と同等に考えることはできない(Watsonほか、1989、30ページ)。
吸気の間、吸気と関連した腹壁のEMG活動における減少があった。『そのような減少は、吸気の始まりと同時に起こるか、わずかに早く始まる、両側部位で、または、低い側部位だけで存在した』(Watsonほか、1989、30ページ)。運動データも分析されたとき、『話すことと、歌うことのために、たいてい減少は腹部の外への移動と関係していた』ことが明らかになった。(Watsonほか、1989、30ページ)。その減少は、リラクセイション操作において記録したのと同じくらい、多くの場合微小な活動を示した。吸気と関連した腹部の活動の減少は、腹部の抵抗を下降する横隔膜に変えると考えられる。下降する横隔膜に対する抵抗のこの欠如は、より効率的で効果的吸気を可能にする(Watsonほか、1989、30ページ)。これらの減少は、期間は短く、吸気が完了される前に腹部の活動の自然で迅速な戻りがあった。
結論として、歌唱中は、側部位が中央部位より活発な腹部の活動が明らかに存在する。腹壁の非活性化は、吸気上で見られる、そして、これは横隔膜の自動的な動作を助けるように見える。しかし、歌唱のために全ての胸壁に姿勢を整える役目を再開するために、腹壁はすばやく復活する(Watsonほか、1989、31ページ)。
Sundbergほか(1991)もまた、歌唱で使われる呼吸筋のEMG研究を行った。彼らは我々に、、歌手は歌っている間に生まれる声門下圧力を精巧にコントロールすることを思い出させる。声門下圧力は、ピッチに影響を及ぼすことだけでなく声量をコントロールする(283ページ)。『…歌手は個々に声門下圧力を各々の音に合うように調整しなければならない。そして、その音量とピッチに注意を払う。声門下圧力が基本周波数に影響を及ぼして、標的の圧力は、歌手がピッチの上にとどまるために全く正確に合わされなければならない』(Sundbergほか、1991、283-284ページ)。
Sundbergほか(1991)は、内外の肋間筋、横隔膜、そして、斜腹筋からEMG記録をとった。関係する歌手は、いくつかの発声の課題を果たすよう頼まれた、しかし、アリアもソングも歌わなかった。
この研究の結果は、Watsonほか(1989)によって得られたものと非常に類似していて、歌唱の間、腹壁が胸壁を形成することに活発に係わっていることが確認された。リラクセイションまたは少なくともその活動の抑制は、やはり吸気の間に起こる。吸気の間は横隔膜が活動し、そして、呼吸サイクルの多くを通して肋間筋が活動する。科学文献から収集された歌の呼吸に関するこれらの調査結果があれば、歌の呼吸についてのいくらかの結論と適切な方法を引き出すことができる。呼気が活動中で、腹腔内圧が、空気の外への流れのコントロールを援助するとき、、吸気と呼気の筋肉間のなんらかの相互作用が必要とされる。筋肉のこの交互作用が呼吸サポートの基礎を作るように思える。呼吸の筋肉として、大部分は横紋筋はある、そして、したがって、意図的なコントロールに基づいて、歌手は、組織的トレーニングですばらしい呼吸コントロールを身につけることができなければならない。したがって、我々は、歌の効果的呼吸サポート・システムが以下から成ると思っている:
・呼吸筋の自発的なコントロール、歌手が、自由に支えと息の流れを増減するすることを可能にする
・呼吸生理学の効果的で、柔軟な使用
・高い胸部と頸部の緊張の解放
・良い姿勢の調整の維持
・吸気と呼気の筋肉の自然の機能に続く呼吸管理のシステム
・強さ、共調運動と持久力に関する呼吸筋のトレーニング。

音声教育学的文献における呼吸と呼吸管理おそらく呼吸法として、長年にわたってそれほど熱狂的に議論された声楽教育学の分野はない。呼吸についての多くの異なる楽派は出現し。そして、各々が唯一の本当で正しい方法であると主張した。呼吸についてのこれらの楽派は、大まかに3つに分けることができる。声を支える『ベリー・イン』メソッドを説く教育者たち、アプローチにおいて完全に反対の、支えの『ベリー・アウト』メソッドを提案するもの、そして、最後に、どちらも選ばない人たち。各々の楽派の異なる支持者の間に、厳格な技術の違いがある、しかし、腹部の動き(呼気の原動力)の方向はすべてにとって同じままである。
ほとんどすべての教育者は、呼吸、呼吸サポートまたは呼吸管理が確実な発声技術の部分であると、思っている。呼吸が重要であると感じられる度合いは、教育者によって大いに変化する。
呼吸器系に関する科学的な知識の成長は、比較的最近に『ベリー・アウト』楽派を過小評価する傾向があった、特に、Hixonの1987年の本でによって報告されたもののような、運動学的研究は、歌の呼吸をどのように概念化したかに関係なく、呼気位相の間、腹部の内側の動きがすべての歌手で記録されたことを明らかにする(362ページ)。
ここ20~30年の間、歌唱のために『ベリー・アウト』戦略の使用を提案するために書かれたものはほとんどないが、現在文献で利用できる呼吸の科学的な成果すべてにもかかわらず、それはまだ一部の先生によって教えられている。興味深いことには、発声のために以外の、呼吸サポートの『ベリー・アウト』メソッドは、管楽器奏者の間では依然として一般的な呼吸法である、そして、その使用への言及は管楽器と金管楽器の教授法でしばしば見られる(Reynolds、2005)。
McKinneyは、通常すべての呼吸法には、それらは正しいか、正しくないかである、それらの中にいくらかの真実の要素がある、と指摘した。腹式呼吸(belly breathing)を教えられる学生は、『深い息をとりなさい、それから、歌っている間、ベルトに対して押し出しなさい』ように命じられる。これは、横隔膜が下って最も低い位置に閉じ込める、そして、空気が使い果たされるにつれて、横隔膜の戻りを許さなくする』(McKinney、1994、60ページ)。横隔膜はできるだけ十分に降ろす(腹式呼吸楽派腹の真の要素)ことができなければならないというのは、本当である、しかし、横隔膜は、呼吸サイクルの間に、その緊張していない状態に戻ることもできなければならない。腹筋は、歌うために必要とされる空気圧のバランスを維持するために、内側へ動く自由を持ち続けなければならない。『ベリー・アウト』セオリーは、呼吸運動学からの研究結果によってに基本的に排斥された。音声教育学に関する他の著作のいくつかを調べることによって、呼吸の『ベリー・イン』と『インでもアウトでもない』楽派は評価されることができる。
今日の教育者の多くは、ベルカント歌唱のいわゆる『黄金時代』からの著作または教えに基づいて、歌の呼吸と呼吸管理について考え方の基礎を形成する。歴史の時代の教育者は、呼吸装置がどのように動くかについて調査するための科学的道具へのアクセスをしなかった、そして、歌手としての彼ら自身の感覚と、解剖学研究所からの彼らが利用できる情報だけに頼ったことを思い出すことは、重要である。呼吸管理や呼吸サポート・システムがどのようにしばしば機能するかという歌手の自身の知覚がほとんど実際に生理的に起こることに似ていないということを、我々は知っている(WatsonとHixon、1987、370ページ)。我々は、呼吸管理か呼吸サポート・システムがどのようにしばしば機能するかという歌手の自身の知覚が、実際に生理的に起こることと、ほとんど似ていないことを知っている(WatsonとHixon、1987、370ページ)。解剖学研究所は構造を観察して、筋肉の起始と付着をたどる優れた場所である、しかし、(特に)生体での筋肉の間で起こる複雑な相互作用により、完全な呼吸系のようなシステムがどのように機能するかという明確で正確な説明を与えて、筋肉自体の機能の正確な説明を与えることは、多くの場合難しい。例えば筋電図記録法、X線、超音波、マノメータと運動学などのツールのおかげで、今や我々は、筋肉活動とシステム内の相互作用の非常に優れた理解がある。
これらの著者がより現代の教育者の仕事に影響するかもしれなくて、以前の著作のいくつかの短い概要は貴重である;ある程度は、それらは、科学研究が現在の教育学に吸収されてきた方法も迎え入れたかもしれない。
歌唱について最も初期の著作のいくつか(TosiとManciniのそれら)は、呼吸については、特に何も言っていない。呼吸を含む発声教育の秘密を持つと考えられていた、初期のベルカント時代からの声の知識の持ち主、それは、カストラートである。技術的なエクササイズの一部だけが書きとめられ記述されたので、その教えの多くは失なわてしまった。ガルシア家(年長者と若者)は、おそらく歌唱の技術面についていくつかの詳細を書き込む最初の人物であった。Garcia(年上)は、学生にゆっくり、雑音なしで息を吸うように説いたが、彼の息子、若いほうのGarcia、彼の教育は父のそれに基づいて打ち立てられた、は肺への力と弾力を与えるための特定の呼吸訓練を用いた。肺には呼吸管理で歌う役割があるという一般の誤解は残る。我々は今では、肺が基本的に空気で満たされた嚢であるということ、そして、その呼吸は胸部と横隔膜の筋肉によって管理されることを知っている。
しかし、Garcia(若者)は呼吸と姿勢の間の相互作用を認識していた。『こわばることなくまっすぐな肩、広げられた胸、急な動きなしで下げられた横隔膜、そして、絶えずゆっくり引き上げられた胸』(Coffin、1989、32ページ)Garciaは完全な吸気を『respiro』と呼び、また、半分の呼吸『mezzo-respiro』を教えた。Garciaは、吸気のための主要な場所を横隔膜として正しく割り当てる、そして、歌のために呼吸時に重要なものは姿勢であることを正しく確認する。彼はまた、エクササイズにおいて吸気を重んじる、例えば、『胸が一杯になるまで、すぼめられた唇を通して非常にゆっくりの吸気、そして、肺は満たされ、それから、息はできるだけ長い間保たれる』(Coffin、1989、33ページ)、そして、深い息から空気のゆっくりした呼気を提案した。これらのエクササイズは歌うこととは別に行われたように、見える。
それは何人かの後の著者による記述から、Garciaは『横隔膜呼吸』という語を使用した最初の人物の一人だったように見える。今日、その用語の認識における意見の相違にもかかわらず、我々も『横隔膜呼吸』という用語を認識している。より古い出典の多くは、呼気の機能が全く存在しない横隔膜を信じていたように思える。より近代には、横隔膜呼吸は吸気の間の横隔膜の降下を指し、いつも、呼気の腹部のコントロールに結びつけられる。これは、横隔膜が吸気だけの筋肉であるという生理学的事実と一致している。より現代の何人かの先生は、いまだに学生に『横隔膜から歌いなさい』と勧める、しかし、生理学的な事実における実質上の基礎を持たないにもかかわらず、これは、声楽教育のほとんど最初から存在したイメージであるように見える(WatsonとHixon、1987、370ページ)。
Matilda Marchesi(Dame Nellie Melbaの先生であったもう一人の有名な教育者)は、最大量の空気を与えるために肺は底面で拡大される通常の呼吸(normal breathing)を主張した。彼女も、姿勢が呼吸にとって重要であると信じていた。Marchesiは、コルセット(それは腹部の運動を制限した)の使用についてのコメントをし、きついコルセットは、有害な『側面呼吸』を引き起こすと堅く信じた。最新の科学的な装備の恩恵なしで、彼女は多くの必要な生理的事実を正しく確認したように思える。底面で拡大している肺の概念は、横隔膜の降下に関するものと見ることができる、その一方で、腹部の膨満を制限するコルセットについての彼女の憎悪は、彼女が横隔膜の降下と内臓の下及びそ外への動きの関係を理解していたことを示す。
他の教育者(Marchesiと同時代の教育)は、特に『通常の呼吸(normal breathing)』の概念に関して彼女に同意しなかった。例えば、Stockhausenは、横隔膜呼吸は、mezzo respiroのためには十分であるが、respiro pieno(深いまたは完全な呼吸)のためには、肋骨の拡張が不可欠であると感じた。Stockhausenは、肋骨と横隔膜は、互いに独立して完全に働くと思っているようだった、我々が現在、大部分は、誤りであるのを知っている意見。
ランペルティ家― 父、Francescoと息子、Giovanni Battista ― は、おそらく歌の呼吸に最も大きな影響を与えた:彼らは、用語『appoggio』と『lutte vocale』(声帯闘い)を案出した最初の人物であった。appoggioは、Francesco Lampertiの1890冊の本に初めて記載された:『appoggioまたは声の支えは、母音『a』でノドの下部を開けた[X線撮影は、これが声のイメージであることを示す]後に、肺に胸と横隔膜の筋肉の動作によって得られるものである』(Coffin、1989、59ページ)。いくつかの点、肺に直接付着されていない筋肉によって肺が作用されるという点で、Lampertiは正しい、しかし、彼はまた、息を吐く機能も横隔膜のためとしているが、現代科学は、簡単にそれを持たないことを証明した。appoggioについてのLampertiから直接の説明から、この形のappoggioの概念が、生理的事実に基づいていないことは明白である。
他の初期の教育者と同じように、Francesco Lampertiは、歌手が、最高18秒間の完全な吸気に彼らの注意を向けるようにというへの指示によって、吸気に重点を置く傾向がある(Garciasと同様の)。横隔膜の呼気機能についての誤った声明にもかかわらず、Lampertiはlutte vocaleの説明で、下記のようないくつかの正しい声明をする:『完全な呼吸によって、横隔膜は降ろされ器官を下に圧迫する。歌い始めるとき、体の中で息を保持するために、吸気筋は呼気筋に対抗して戦う。これを、彼は、lutte vocaleまたは「声の闘い」と言った…』(Coffin、1989、61ページ)。我々は、今では、この声の闘いが実際に存在するということをWatsonとHixon(1985)のそれらのような運動学的研究から知っている。肺が空気でいっぱいであるとき、胸郭と横隔膜の吸気筋が胸の圧力を維持して、流用するために機能し続ける間、システムの弾性反跳は過剰な空気を肺から排出しようとしている。同時に、腹壁も、横隔膜と残りの胸壁を調整して、姿勢を整えるために働いている(息を吐く機能)。我々の現在の理解は、腹壁の動きが次々に胸内圧を上げる腹腔内圧を上げることである。この増加した胸内圧は胸郭壁の中にある機械圧力受容器を起動させ、呼吸サイクルを通じて横隔膜と内肋間筋の継続中の動作を促進する。横隔膜の上へ腹腔内容物を上に向かっての機械的押し上げもまた、その姿勢を変えて、その繊維を引っ張る効果を持つ。そして、吸気で次の降下のためにそれを調整する。
また、Francescoの息子、Giovanni Battstaは、呼吸についていくらかの正しい声明をした。呼吸する方法は、横隔膜でなければならない、なぜなら、これが歌手が平静に空気をコントロールすることができる唯一の方法であるからと彼は信じていた。彼はまた、高い呼吸や鎖骨呼吸を用いることで、声が緊張すること、そして、その姿勢と呼吸は相互に作用することに注意した。Giovanni Battistaは、呼吸のコントロールがすべての声の勉強についての基盤であると思っていた。彼はまた、以下のように述べた時、呼気の説明において、少しばかりより正確であるように思える:『呼気は、音を長持ちさせるために、段階的に主に腹筋によってもたらされなければならない』(Coffing、1989、64ページ)。
Giovanni Battista Lampertiの生徒でありアシスタント教師のWilliam Earl Brownは、1930年代(1950年代に改訂、増補した)に、Vocal Wisdom(発声の知恵)と言う本を書いた。そして、彼が生徒として、そして、助教師として直接に聞いたLampertiの格言に基づいている。イメージ(それの多くは生理学的事実に基づいていない)の使用に注意することは興味深い。そして、それが教育のために使われた。イメージを教えるよりはむしろ、神話と伝統がどのように事実として伝わってかを見ることもできる。まとめられた呼吸

『全ての胴は収縮して、同等に拡大する。歌唱のために肺を満たしている間、肩とお尻は拡大を防ぐために結びつけられる。骨盤部位と胸骨は、吸気のエネルギーの重圧を相互に支える。この圧縮された息の力は、上方へ『鎖骨』の方へ押し上がり、歌手に幅広い肩にそして高い胸の感じを与える。(胸骨は各々の肩に付着する)…声が振動し始めると同時に、横隔膜は、我々が音と言う波動を生み出し供給するために、十分な呼吸エネルギーを流出するのを可能にする-そして、筋肉の押しつけや引っぱりはない』。(Brown、1957、108ページ)
Brownを通してのLampertiというよりは、Lampertiが彼に言ったことに対するBrownの解釈は、以下のように生理学的に正しい:胴は、呼吸を管理するための調整の仕方の構成単位として働く;骨盤区域と胸骨(sternum)は、支えられた発声(笑うこと、叫ぶこと、すすり泣くこと、正しく歌うこと)の間、簡単に触診されることができる筋肉の付着を持っている;そして、歌手は広い肩で、直立して、『高貴である』(たとえ呼吸そのものではなく姿勢のためとしても)と感じなければならない。また、この引用文は、残念なことに、いくつかの全く誤った声明を含む。横隔膜の下降につれて上腹部の拡大がないならば、呼吸は高くて、量的にいくらか制限されるので、肩とお尻が拡大を妨ぐために結ばれるならば、それは肺を空気で満たすのが非常に難しいだろう。横隔膜は再び、呼気の機能とされる:それは、空気の外へ向かう流れをコントロールしない。それは腹筋の呼気力へのブレーキの働きをするかもしれないが、それは確かに全体的な呼気のエネルギーをコントロールしない。最後に、筋肉は、押すことも引くことも含まれないと言う声明も、確かにイメージに過ぎない。まず最初に吸気の直後にシステムの弾性収縮力を克服するために、吸気筋は働き続けなければならない、でないと、呼吸の多くはあまりに速く失われる。その次に、胸内圧が十分に下がるならば、呼気筋は空気の外への流れのコントロールを引き継ぐために活動し始めなければならない。
20世紀の初期の多くを通り過ぎて、イメージとしてよりはむしろ、事実としてこの種の教育学的声明が使われ生徒たちに引き継がれた。
1950年代の間に、呼吸が生命を支えるのに用いられて、話す教育者のためにこの研究によって影響され始めた方法に、多くの関心が解剖学者、生理学者と声研究者からあった、そして、William Vennardの仕事は歌唱教育者と科学者とのこの初期の交流の適例である。
Vennardの1967年の本、Singing: The mechanism and the technic(歌唱:メカニズムと技巧)は、20世紀後半のほとんどの教育学的文献の礎石であった。Vennardは彼の本を率直に機械学であると言った、そして、彼は、純粋に科学用語で、歌唱の謎を解き、それを言い表わそうとした。『[この本]は、いろいろな信頼できる情報源から、隠された客観的所見に基づき編纂し、それらを歌唱技術と関連づけとする試みである、』(Vennard、1967、iiiページ)。
Vennardは、呼吸が、効率的な声のテクニックにとって中心的なものであると信じていた。
『呼吸が、音声生成において最も重要な要因であると考える先生がいる…反対に、貧弱な歌唱は、まさにひどい呼吸の結果である、従って、スタジオで教えるただ1つのものは― 正しい吸気と呼気 である』。(Vennard、1967、18ページ)。
Vennardは、また『それ[呼吸]は、重要性の主たるものだが、理解するのが簡単で、教師の助けを借りずに練習されることができる』と述べた(Vennartd、1967、18ページ)。これを述べるためのVennardの基礎は、呼吸に関係するすべての筋肉が自由意志でコントロールされることができるということであった。確かに、これはある程度真実であるように思える。さらに横隔膜は意識的な考えによって呼吸を始めることができる、たとえその運動の微妙なグラデュエーションが意図的なコントロールでないとしても。
20世紀の中ごろの彼の立場から、Vennardは、他の歌唱教育学のいくつか(それらの主要な実践者の何人かとの直接的な対話によるものや、またはこれらの教育学の創設者によって独学してきた歌手達)から結論を出すことができた、。彼は、まずい呼吸習慣のように思えるにもかかわらず、成功している相当な数の歌手、がいる、特にLilli Lehmanに言及して、点に注意する。Lilli Lehmanは、彼女のほとんどの経歴の間、『pan-costal』呼吸(鎖骨呼吸の一種)を擁護した20世紀前半の偉大なソプラノの1人であった。パンコスタル呼吸は腹部が吸気できつく引き込まれることを必要とした、そのため、胸は空気でいっぱいにすることができた(生理的にまったく響かない!)。Lehmanが、横隔膜を迅速かつ容易に降ろすために腹壁を解放することを学んだのは、、彼女のキャリア後半においてだけであった。Vennardは、誰でも呼吸する、そして、空気が入って、適当な安定性で再び流れ出る限り、歌唱が生まれることができると正しく指摘する。しかし、彼はまた、呼吸が増やされることができるならば、また、歌唱の品質もそうすることができると言う。(Vennartd、1967、18ページ)
Vennardもまた、良い姿勢と良い呼吸とを強く結びつける、そして、歌手の姿勢を、器楽奏者が演奏し始める前に、正しく楽器を持つことを学ぶときに取り組む作業に例える。
「頭、胸と骨盤は、順次下へ1つずつ一列に並べる-頭を真っすぐに、胸部を高く、骨盤は傾くので尾部がたくし込まれるように脊柱によって支えられなければならない。その頭と肩の位置は、あごを自由にさせ、ノドに引っ込めなないようにする。この3つは、頸部で器官を解放する。高い胸は、肩が後ろの戻ることを意味すが、リラックスして、楽な感じでなければならない…腹筋のある程度の緊張力は骨盤をまっすぐにしておくために必要である、しかし、深呼吸が不可能なほど強くてはならない。それが腹式呼吸を妨げるならば、この姿勢の面は無視されなければならない』(Vennartd、1967、19ページ)。
Vennardは、横隔膜に迅速かつ容易な降下ができるように、腹筋がリラックスしている必要を正しく確認する。多くの点において、よく用語が案出されるかなり前に、Vennardは歌手に、芯の不変性は維持するが、歌の呼吸を助けるために腹壁を自由にさせておくことを求めていた。Vennardはまた、『肋骨の拡大も、呼吸筋に力を与えるためになければならない』と述べた(Vennartd、1967、20ページ)。
彼は、肋骨は、横隔膜のような組織とは無関係に動くことができると信じていたように思える、しかしながら、Rubin(1998)とBunch(1997)は、下部肋骨は、特に、それ(横隔膜の付着点)とは別であるよりはむしろ、それら(下部肋骨)への横隔膜の付着のために動くことを明らかにする。
『呼吸は、発声が第二の機能でしかない複雑な生理的プロセスである。研究の必要上、それは、胸式呼吸、肋骨呼吸、そして、横隔膜または腹式呼吸の三つのタイプの呼吸法に分解されるかもしれない。最初のものは強調され手はならない;歌唱のために最も効果的な呼吸は後者2つの組合せである』。(Vennartd、1967、20ページ)
Vennardは、歌唱にとって最も効率的なものとして、肋骨‐横隔膜と腹式呼吸の組合せを特定するとき、ここでも正しい声明をした。『胸式』呼吸についての彼の説明が、吸気の第二の筋肉の動作に最も緊密に関連がある間、Hixon(1987)が言うように、呼吸のこれらの2つのタイプは主要な吸気筋と呼気筋の動作に等しい。Vennardは、おそら、彼の呼吸法の教育学を維持するために、正確な解剖学的で生理的情報を用いた最初の歌唱教育者の1人である。正しい解剖学と生理学の理解により、彼は確実に呼吸の『ベリー・イン』楽派の中にいる。
吸気に対して責任がある1つのグループと呼気に対して責任がある他のグループによる、内外の肋間筋の機能の昔の解剖学者の説明を彼が持っているにもかかわらず、呼吸システムについてのVennardの説明は基本的に正しい。Rubin(1998)とBunch(1997)は、肋間筋は、肺気量の増減のための役割を果たすよりもむしろ、胸郭壁を安定させて、正しい胸腔内圧を維持するのを助けるために活動すると述べる。解剖学的に正確でありたいという願望で、Vennardは次のように言及する、それらの付着部が胸骨により近づくので、内肋間筋の繊維は引きの方向を変える、そして、それが肺気量を本当にコントロールすることであるならば、当然それらの機能を変えるだろう。横隔膜についてのVennardの声明も完全に正しい、そして、彼はさらに肋骨と横隔膜の間の緊密な相互作用についてコメントする、しかし、吸気サイクルにおいて優位を占める肋骨の動きよりもむしろ横隔膜の運動であると理解してるとは思えない。『当然、このドーム(横隔膜)の平坦化は肋骨を拡大することと連携されるだろう。そして、それ(肋骨の拡大分)は、その円周に付け加えられる』(Vennartd、1967、24ページ)。Vennardも、彼の声明の裏付けをするために、X線撮影研究を利用した。X線研究は、横隔膜が吸気で常に下がり、深呼吸では徹底的に下がるということを証明する(Vennard、1967、24ページ)。
Vennardは、腹部と骨盤底(彼は、歌の良き呼吸にとって不可欠であると思っている)の筋肉についてのコメントをする:
『言うまでもなく、大部分の呼吸筋組織の場合のように、これらの筋肉[骨盤底]の動作は本能的である。これらの筋肉を訓練することは、歌唱にとってより効率的なパターンにこれらの反射を適合させることである、そして、これは全体的な動作をいくぶん修正するだけである。』(Vennard、1967、25ページ)
これらの筋肉運動の『本能的』或いは『反射的』性質についてそのような声明をする際に、Vennardは、あらゆる発声技術の不可欠な構成要素について触れている:そしてそれは生理的に適切なものでなければならない。歌手に、体が意図されていない方法で筋肉を動かす、或いは、筋肉組織を使うことように頼むことは、健全な行為ではない。最も多くの効率的な使用は生理学でなされなければならない、そして、それがどのように機能するかについて、体がそれ自体の選択ができるとき、これがいつも起こるだろう。
胸式呼吸(鎖骨または肩呼吸としても知られている)は、Vennardによって、消耗したアスリートまたは息を切らして空気を求めてあえいでいる人の呼吸と言われる。この種の呼吸と関係している上下している胸部は、体が生きるために十分な酸素を得用と努力しているというしるしである。Vennardは、4つの理由でこの種の呼吸に反対して忠告する:
『第1には、それは効率が悪い。それは吸気性なので、呼気のコントロールを提供しない…第2には、それは見た目がよくない。歌手の胸部がつぶれると、肩が落ち、姿勢が悪くなる…第3には、胸式呼吸は、ノドでの筋肉の緊張に簡単につながる。胸骨を上げる筋肉は、頸部の最上位で付着部を持っている…第4には、肋骨が上下動しているとき、最良の腹式呼吸は正しく行われることができない。』(Vennard、1967、27ページ)。
第2の呼吸型は、Vennardが肋骨または肋骨呼吸と呼ぶ、肋骨の横向きの拡大に特徴付けられる。両手の手首に近い部分で、両側で下の方の肋骨に押しつけるそして、指は前方に軽く触れている:『彼[歌手]が息を吸い込むとき、彼の目的はできるだけ遠くに離れるようにそれら[手]を押し広げることである』(Vennard、1967、28ページ)。
Vennardは、肋骨の動きが肩よりもむしろ腹筋と連携することを指摘していることから、下部肋骨と横隔膜の連結を理解しているように思える。しかし、横隔膜に対して肋骨が全く独立した動きをすることができると感じたとき、彼は間違っている。より最近の著者(Bunch、1997とRubin、1998)は、横隔膜が下部の肋骨の原動力であり、同時に、肋間筋が主に胸郭の完全な状態を維持することに関係し、そして、下行する横隔膜によってつくられる胸部での陰圧によって胸郭が吸い込まれるのを防ぐと考えている。横隔膜の下部の肋骨への付着はまた、それらが吸気と同時に外へスイングする(Vennardの横の動気)ことを確保する。
Vennardによって記述される呼吸の第3のタイプは、横隔膜‐腹筋(diaphragmatic-abdominal)または『腹式呼吸(belly-breathing)』である。それは、要するに吸気中の横隔膜、そして、呼気中の腹筋である。
『横隔膜は、体の中で最も力強い筋肉の1つで、確かに最も重要な筋肉である。それは胸郭と腹部の間の隔壁であるだけでなく、それは両方の種類の呼吸に関係するので、それらは連係されなければならないことを意味する』。(Vennard 1967、28ページ)。
Vennardは、横隔膜が動く方法とその運動が腹腔内容物に作用する方法の優れた説明をし続ける。彼はまた、上腹部のレベルでのふくらみがどのように間接的に横隔膜の動きに関係するかについても説明する。『それ[横隔膜]が平らになるとき、この領域は押し下げられる。Plunket Greene[20世紀前半の有名なバリトン]は、それを『呼吸筋』と呼んだ(Vennard 1967、28ページ)。それは、もちろん、まったく横隔膜でない。そして、多くの教育者が長い間誤って引合いに出した何か、しかし、胃内容と他の筋肉連結のいくつかの動きの感じが横隔膜の降下によって生じる。
Vennardは、肋骨呼吸と腹式呼吸の組合せが最良の技術であると繰り返して言う。
『横隔膜の収縮は、下がって、部分的に平らになるする ― 。そして、胸の容積を増やす。それは、吸気の筋肉である。腹筋の収縮は、特定の機能を除いて、胸部を含む全ての胴体の容量を減少させる。それらは、呼気の筋肉である。それら(腹筋)は、横隔膜による収縮で、抵抗され、固定される、しかし、能動的な要因であるこの筋肉について考えることは、混乱の原因になるだけである。横隔膜は、音を支えない…横隔膜は音を安定させるが、それを支えない。』(Vennard 1967、30ページ)。
Vennardは、生理的事実についてはっきりした声明をしている、と同時に、彼は、 長く支持されてきた、横隔膜は、吸気のために収縮することを何とか管理する、そして、呼気で能動的に空気を支えて、声をコントロールするような方法でリラックスすると言う見解をあばこうとする。。Vennardの横隔膜が音を安定させるという確信は、最終的に証明されなかった、しかし、Sundbergと彼の協力者による研究において、 歌手は通常、高い肺気量で素早く声門下圧を減少させるために、横隔膜を補強することが判明した (Sundberg、1987、36ページ)。Sundbergの実験群は非常に少なく、4人の被験者のみで、彼ら技術レベルに応じた記載はされなかった。被検者の一人は、歌われたフレーズの持続期間を通して、横隔膜活動を示した。Sundbergはまたレポートいている ― この歌手は腹壁でより高い声門下圧を発生させる傾向があると。そして、その場合、それは横隔膜の活動によって必要とされる圧力になった。Sundbergは仮定する ― 同時に生じる高い度合いの収縮が、腹腔内容物の置換を減らすのを助けて、このように、素早く変化する声門下圧に対するそれらの活動欠如の影響を最小にすると。
アクセルである腹壁とブレーキである横隔膜による、アクセルとブレーキのこの例えは、 Sundbergが得た結果を説明する。面白いことに、このアクセル/ブレーキ・コンセプトは、Janice Chapmanによって教えられて、彼女の本で説明される呼吸の教育学的モデルの核心である ―Singing and teaching singing: A holistic approach to classical voice (2006) 歌唱と歌唱教育:クラシックの声への全体論的アプローチ。
さらにSundbergは、Bouhuysほか(1966)のような他の以前のレポートー 高い肺気量で、長くて小さく持続された音で歌う間、呼気復元力(respirator recoil forces)を弱くするために、5人のノンプロの歌手の中の3人が、横隔膜を使うことが分かった ーを引用する(Sundberg、1987、37ページ)。
Vennardはまた、多くの教育者が良い横隔膜の発達の証明として使った 『上腹部のはずみ(bouncing epigastrium)』の現象を説明しようとする。彼は、 上腹部のふくらみが、横隔膜だけからではなく、横隔膜と腹筋の間の筋肉の相互作用により起こると正しく指摘する。Vennardは、せきや他の根本的原始的な雑音、例えば笑い、泣きまたは叫びでそれが全く明らかに起こることから、反射的な筋肉の相互作用の結果として、この『はねる』ことを正しく同定する 。彼はまた、せきの間、引き起こされる空気からの急速な放出に対して、腹筋は責任があることを明確にした、しかしながら、出て行く空気流の力をコントロールするのを助けるために横隔膜が緊張させもすることも書きとめた(Vennard、1967、31ページ)。
Vennardは、20世紀の音声教育学の『偉人』の1人の立場に値するように思える。彼は、批判的に言語と音声教育者の習慣を調査して、それらを彼の時代の科学的原理と関連づけようとした。電気筋運動記録と運動学的研究を通して得られる肋間筋に関する情報のような我々の知識への2、3の重要ではない増補は別として、呼吸解剖学と生理学のVennardの説明は、正しい。彼はいつも正しく教育者の言葉遣いと実践を解釈して、明確で簡潔な科学的な関係を築いた。Vennardの肋骨と腹式呼吸(今は、腹‐横隔膜呼吸(abdomino-diaphragmatic breathing)と呼ぶ)の組合せが歌唱のために最高であるという主張は、現在の生理学的知識に適合する。Vennardの呼吸訓練の多くも現在の理論によく合致する、しかし、現在は吸気期を強調しない(Vennardは、腹の上に乗せる重い本を使うか、吸気で外へ上腹部の固形物を押し出すことを勧める)、そして、腹筋組織を通して柔軟性と呼気のコントロールをより強調する。
Vennardのテキストは、何年にもわたり音声教育学のスタンダードと考えられた。彼の著作は、他の多くの大冊の出版のために、疑いなく、人気がかくなってきているとはいえ、彼の時代からほとんどの歌唱テキストによく引用される。彼は、1960年代から音声教育学のほとんどののアメリカの著者に重要な影響を与えたとみなされる。
Richard Millerもまた、20世紀後期と21世紀初頭における歌唱教育学の巨人の1人と考えられる。
彼は、歌唱と歌唱教育に関する多くの本を書いた、おそらくその中で最も有名なものは、1987年の本、The structure of singing: System and art in vocal techniqu(歌唱の構造:発声テクニックの体系と技法)である。
Millerは、呼吸管理が良い歌唱に不可欠であると言うことに対する確固たる信者である。
彼の本は、簡単なものから以下のようなより詳細で複雑なもの変化していく記述において、呼吸と呼吸管理について彼の信条に対する洞察をすべて提示する :
『呼吸管理は、すべての熟練した発声の最も重要な基礎である』(Miller、2000、32ページ)
『洗練された歌唱において、呼吸の、胸、横隔膜、そして腹部の様相は、誇張された活動なしで3つの領域のいずれにおいても連携されていなければならない(動的な筋肉平衡)』(Miller 1986、23ページ)
『歌唱の技術力は、空気流と発声 ― 声の争い ― の微妙な調整を堅実に成し遂げる歌手の能力に主に依存している。そして、それは喉頭と胸壁の筋肉の間の連携作用と横隔膜の収縮、そして、声門下圧と声帯の抵抗力の間で動的なバランスをとることによって決まる』(Miller 1986、23ページ)。
Millerは多くの人々から、知覚とイメージ・ベースの音声教育学のより古いスタイルとより最新の科学的な知識のつなぎ役とみなされる。彼は、 教師には適切に教えるために、正確な解剖学的で生理学的知識がなければならないと信じ、詳細な解剖学的で生理的事実についての概念に基づくことを主張する。そして、しばしば、大量にGrayの解剖学のような古典的な解剖学的出典や、Ladefogedのような音響音声学の研究者による1960年代の研究から引用する。
Millerは ― 彼の著作物の全てで ― 彼が言う、 呼吸、支えと呼吸管理への終始変わらないアプローチをする
『… appoggio(動詞(appoggiare)から:~に寄りかかること、~に接触していること)は、歌手が、専門の発声の仕事にうまく適合するために、エネルギーと自由を結びつけるのであれば、学ばれなければならない呼吸管理調整の形である 』(Miller、2000、32ページ)。
『Appoggioは、胴体と頸部の筋肉・器官を、結合してバランスをとり、そして、声門上の共鳴体との関係をコントロールすることによって、いかなる誇張された機能も全体に影響を及ぼさないようにするシステムである』(Miller 1986、23ページ)。
Millerは、appoggioが、呼吸の解剖学と生理学の働きに関連する身体的な事実に基づくと言う。彼は呼吸を次のような言葉で解説する:吸気においては、横隔膜は下に収縮する、そして、肋間部の拡大は肺の容積を増やす。
彼は、 横隔膜の腱中心が、心臓が収納される心膜に付着しているので、横隔膜の動きが大部分の歌手によって誤解されると考えている。これは、大部分の歌手が考えるより横隔膜の動きがより少ないことを意味する 。Millerはさらに、横隔膜は局所的にコントロールされることはなく、呼気時と発声中は基本的に受動的であると述べる(Miller、2000、33ページ)。彼は提案する ― appoggioにおいて、目的は、正常呼吸の時よりより長い間、胸骨と胸郭の吸気性の位置を保持することで 、横隔膜上昇を遅らせる(Miller、2000、34ページ)。
Millerは次に、腹筋と呼気での腹筋の関与を検討し始め、 歌手の仕事が空気力学的な筋弾力線維性器管に対して静的というよりはむしろ動的な平衡を開発することであると言う(Miller、2000、38ページ)。彼の効果的な呼吸管理のためのゴールは、 自然な発声と言う抵抗によって、出ていく空気を音に変えることである。彼は、このプロセスがappoggioによって安定し、腹壁の拮抗筋の中にその供給源を持つと考える。『Appoggioは、吸気の瞬間に、これらの筋肉の自然な拮抗作用に頼る。』(Miller、2000、39ページ)。
『歌唱の仕事のために、可能な限り息を吸う動作を保ち、そして、呼気動作中に普通に起こる声門下圧の増加を減らすことが必要である』(Miller(2000)。40ページ)。彼は次のように考えている ― 過度の気流の縮小と声門下圧の増加が、できるだけ長く吸気の動作のままでいることによって成し遂げられる、それによって、胴体の筋肉は 慣習的な呼気運動を遅らせるために鍛えられる。(Miller、2000、40ページ)。
様々な点で、Millerの状況判断は正しい。
空気流は一定に保たれなければならない、そして、 肺が空気で満ちているとき、高過ぎてはならない、さもないと、歌唱トーンは、均一にも、支えられることも、長く伸ばすこともできない。
したがって、吸気の位置にとどまりたいという彼の願望は賢明である、しかし、彼のやり方には若干の問題がある。
腹部/胴の筋肉に自然な呼気運動を遅らせる要求は、過度の緊張と腹壁を『ロックする』可能性に至る。
これは呼吸器系が均衡を失う原因になり、声門上の空気流の縮小に至るかもしれない。そして、それは音を改善するよりはむしろ妨げるだろう。Chapman(2006)は ― 腹壁の正しい、生理的に的確な動きが胸腔内圧を増やして、横隔膜がその活動を維持することを助けるーと考える。胸腔内圧の増加は肋間筋で機械圧力受容器を活性化する、それによってより長い間ブレーキをかけ、声門下圧を減らし続ける。
間違いなく生ずる ― ミラー(高い名声を持つ教育者)が歌唱中の呼吸のための優れたヴィジョンを持つことは確かなようだ、しかし、不幸にも、呼吸管理システムのための彼のコンセプトのいくつかは現在の解剖学的で生理学的な知識と一致していない。ミラーは彼の呼吸教育学を科学用語で言い表そうとする、しかし、歌手のより最近の運動学的およびEMG研究は彼の前提を支持しない。
James McKinneyは、呼吸の『ベリー・イン』楽派の別のメンバーである。{} 彼の本、The diagnosis and correction of vocal faults: A manual for teachers of singing and choir directors(発声の誤りの診断と修正:歌唱と合唱団指揮者の教師のための手引き書)は、1982年に初版が出され、続いて改訂されて、1994年にはいくらか増補された。McKenneyもまた、呼吸が歌手のテクニックの極めて重要な成分であると考える。彼の導入の章に、発声の問題点を分類するのを助けるために彼はたくさんのシステムを我々に提示する。そして、その一つは『歌う行為に必要とされる肉体的なプロセスによるものである:つまり、(1)呼吸に関する間違い、(2) 発声に関する間違い、(3) 共鳴に関する間違い、そして、(4) 調音に関する間違い』(McKinney、1994、17ページ)。McKinneyはさらにいう、彼は、最も便利で論理的な肉体的なプロセスに基づいて間違いを分類するこのシステムを見つけたと。また、彼は ― それが、調査され、そして、歌唱活動に於ける呼吸の重要性を強調するために第1の肉体的なプロセスであるとわかることによって登場した。McKinneyは彼自身Vennardの生徒であったので、これらの2人の教育者のつながりは明らかである。McKinneyは ― 歌唱の間違いに対する彼の関心のため ― さらにVennardのより初期の著作物に従おうとした、しかし、彼は彼の記述のいくつかのためのより良い科学的な基礎を提供することが常にできない。
McKinneyは、基本的な解剖学的で生理学的な情報によって、正常な呼吸の要約を与える。彼は詳細に呼吸筋の多くに言及することはないが、参照することができる他の諸情報源を与える。彼は、横隔膜が吸気の主要な筋肉であり、呼気が弾力的な反動力と腹筋の活動の組合せであるとはっきり述べる 。彼は、正しい解剖学的と生理学的な用語で呼吸を記述し、それを彼の呼吸教育学と関連づける。しかしながら、彼は肺について興味深い記述をする。そして、それは腹部-横隔膜呼吸が歌唱に対して最も効率的だろうという認識を裏付ける。
『各々の肺の下半分は、上半分より毛細管をずっと多く備えている。これは、下半分が、空気の中から酸素を取り込み、血液流れから二酸化炭素を取り除くことに対してより効率的であることを意味する』。(McKinney、1994、47ページ)
また、McKinneyは自然な呼吸または標準的な呼吸と歌のための呼吸をはっきりと区別した
彼は考える ― 自然な呼吸には3つの段階をがあると:息を吸うこと、息を吐くこと、そして休止または回復、そして、これらの段階は意識的なコントロールによらない(McKinney、1994、48ページ)それ故に
『歌の呼吸は、4つの段階がある(1)息を吸う期間(吸気)、(2)始動準備コントロール期間(一時的停止:サスペンション)(3)コントロールされた呼気期間(発声:ホネーション)(4)回復期間;これらの段階は、それらが条件反射になるまで、意識的なコントロールによらなければならない。(McKinney、1994、48ページ)
McKinneyは信ずる ― 歌のための吸気速度は、自然な呼吸でよりもより速く、より大量の空気が吸われると。また、彼は述べる ― 吸われた息はより深く肺に入ると(McKinney、1994、48ページ)。McKinneyは、『正しい心の準備』と呼ばれるものを与えることによって、効率的な呼吸に必要とされる条件反射を、歌手が調整するのを助けるためにイメージを使う。花のにおいを嗅ぐ、あくびをし始めようとする、あるいは、コップの水を飲もうとするようなイメージが、歌手が正しく息を吸い込むのを助けるために用いられる。
イメージの使用は、歌唱教育において長い間使われてきた。発声器官は特別な装備(正確に感じるのが難しい)なしで見ることは不可能で、意志的(歌う)自律的(摂食と呼吸)な両方の機能を持つ。そして、それはほとんどイメージによる指導を必要とする。McKinneyが実際に示唆するイメージが、呼吸システムの機能に変化を与えるかどうかは、今のところ我々にはわかっていない 、しかし、それらは、望み通りの結果を達成するために使われることが出来そうに思える。面白いことに、McKinneyは、これらの機能を達成する際に有益であると分かったそのイメージを示す前に、呼吸の各々の段階の解剖学と生理学を検討する。これは、イメージを与えてから、それを解剖学で正当化しようとする歌唱教育者とは全く異なる。
また、McKinneyは、 ― 呼吸より前の考慮すべき姿勢の問題が重要であることを我々に気づかせる。『胸は、楽に高く、下腹部は楽に中へ、そして、上腹部は自由に動なければならない』(McKinney、1994、49ページ)。
呼吸の前に、下腹部が楽に中に引くことについてのMcKinneyの記述は、幾分はっきりしない。それは、たぶん、彼が歌手に、呼吸サイクルの間、芯の安定性を維持するように求めているということであろう ― (低い腹筋は、楽に中に引くことによって、この作業のために能動的に補強されている)。
または、彼は、呼気での全ての腹部領域の連係した労力の準備に低い腹筋で音声を持つことによって、呼気期を整えているかもしれない。
彼は腹筋の締め付けまたは緊張状態を確かに支持していない ― 以下記述によって明示されるように:
『あなたが吸う時、息は体の中に、肺へ降り、体の中央の周囲を外に移動するように思われる。体の中央の周囲のこの拡大は自然で、望ましい;それは横隔膜の下降による腹部器官の置換と特定されてきた』。(McKinney、1994、49ページ)。
McKinneyは、 横隔膜が下に動くとき、胴体の周囲全てが拡張するが、この拡張は、より大きな弾力性がある胴体の前面が最も大きいということを、我々に気づかせることによって、生理学的な事実を再確認する。この前方の拡張は、胸郭と脊柱への横隔膜の付着と腹部の前面のより大きな可動性によって力を得る。McKinneyはまた、 後ろ、肋骨または外側の拡張が吸気の主要な焦点であると信ずる教育者に主張する:
『何人かの教師は、より標準的な前方の拡張が制限されるか、消去されさえする、 後ろの拡張または肋骨拡張に対してこのような盲目的崇拝の対象にした。これは偽りのない真実として認められている部分的な真実のケースである。そして、それは歌唱を教えるすべての局面においていつも存在する危険性である』。(McKinney、1994、50ページ)。
McKinneyの呼吸教育のサスペンション期は、自然な呼吸において関連するものはない。サスペンションは呼気の直前に生じる、そして、McKinneyは、その目的が続く発声のためのブレス・サポート・メカニズムの準備をすることであると信ずる(McKinney、1994、50ページ)。また、彼は ― このサスペンションは、『必要とされるメカニズムのいかなる大きな再調整もなく、声音の全く労力のない開始』を可能にすると考える(1994、50ページ)。彼は続けて言う― このサスペンション期が自然な呼吸の一部でない時から、歌手は意識的にそれを獲得しなければならない 。
不幸にも、McKinneyは我々に、歌の呼吸サイクルにおけるサスペンション期の科学的な証拠を提供していない。他の論文たちの論評もまた、この構成要素の証拠を見つけるのに失敗した、しかし、それは、WatsonとHixon(1987)によって記述された、吸気と呼気の間の転換に関係があるかもしれない、そこでは、発声直前の腹部から胸郭への容積変化があった。WatsonとHixonは、システムのこの始動(setting up)を発声のための用意として記述する。しかしながら、それはまた、歌唱における呼吸サイクルのこの部分が、とりわけ評価されなかったということでもあるだろう。サスペンション期は、充分に訓練された歌手では非常に素早くなるので、それに対して積極的に目を向けない研究者の注意を引かなかったという可能性はある。
歌手のコントロールされた呼気は、良い音声の維持のために極めて重要である。McKinneyは 、 呼吸は、横隔膜がブレーキを緩めるように動くために、横隔膜がその張力を徐々に開放して、非常にゆっくり吐かれなければならないと考える。 (McKinney、1994、50ページ)。また、彼は述べる ― 横隔膜のこの段階的な解放を達成するための最高のやり方は、体の中央の周囲の拡張を維持しようとすることである。この記述は呼気についての現在の呼吸理論と意見が食い違うようである、しかし、McKinneyは続いて明確に述べる ― 体の中央の周囲の実際の拡張が、呼吸が排出されるにつれて減少し、同時に、呼吸サイクルを通して腹部胴回りで大幅に減少するだろう― 彼は主張する ― 胴回りの減少が非常にゆっくりとしているので、 歌手は常に広げられると感じる(McKinney、1994、50ページ)。これは、事実よりもむしろ感覚に基づく教育学的指導の良い例である。
McKinneyはあらためて、多くの歌手が報告する 感覚に基づくイメージ(拡張についてのもの)を使おうとしている 、たとえ反対のことが実際に起こると彼が認めようとも。これは、息をする方法と実際に歌唱中に息をする方法についての歌手の知覚は、互いにしばしば意見が食い違うことを発見したHixonと共同研究者の研究結果と一致している(Hixon、1987、369ページ)。横隔膜がブレーキをゆるめる役割を果たすというMcKinneyの提言は、 吸気が完了するとすぐに横隔膜がリラックスすると信じたミラーの確信と確かに正反対である。Sundberg(1987)、LeandersonとSundberg(1988)そして、Watsonほか(1989)によって報告されたような著作は、ブレーキのゆるみとしての横隔膜、特に肺容量が非常に高いとき、のMcLinneyの見解を支持する傾向がある。
McKinneyの歌の呼吸についての最終的な段階は、回復から成る。McKinneyは、緊張状態がある呼吸からもう一つの呼吸まで増やされないか、伝えられないように、各々の呼吸の終了後にすべての筋肉が緩むことを望む。この弛緩が生じる 一瞬があることは確かだ。息が腹筋の活動によって排出されるならば、それら(腹筋)はゆるみ、そして、横隔膜の活性化と、次の吸気のためのその下降の直前に、弛緩の状態が、存在するだろう。この弛緩期は、WatsonとHixon(1985)によって注意される呼気から吸気への転換に等しいだろう。彼らは、次の吸気に向かっての横隔膜の再活性化の直前に腹部の活動の減少があると考える。その時、胸郭はその呼気の機能を続けているので、短期間パラドキシカルな動きがある ―胸郭が呼気作業を続けるのに対して腹部がその吸気姿勢をとるとき ― 。腹部のリラクセーションは、歌手によって次の吸気より前の呼吸器系の全体的なリラクセーションとして感じられるかもしれない。
McKinneyは、さらに、歌の呼吸サポートを、ただの吸気と呼気とは少し異なる何かと定義する ― 。
『呼吸サポートは、吸気筋と呼気筋の間の動的な関係である。そして、それの目的は、あらゆるピッチや音量を持続させる間、声帯に十分な呼吸圧を供給することである。人が正しい姿勢を確立して、きちんと息を吸い込んで、次に息を一時停止するとき、バランスのよい緊張は吸気と呼気の筋肉の間に準備される』。(McKinney、1994、53ページ)。
McKinneyは ― 試行錯誤によって ― 歌手は必要に応じてこのバランスをとる緊張状態を調節することを学ぶと考える。『時間と鍛えられた習慣だけが、サポート・メカニズムを、声帯に呼吸圧の微調整を供給するための最大限の潜在能力に導くだろう』(McKinney、1994、54ページ)。
McKinneyは 、時間と鍛えられた習慣だけが完全にサポート・システムを開発すると彼が述べるとき、呼吸サポートについて重要な要点を指摘する。ベルカント時代には、歌手は公的に歌うことが許される前に師匠についておよそ7年間勉強した。この時代には、呼吸サポート・システムは、師匠からの指示、出される響きからの情報、そして、歌手の側の試行錯誤の組合せによってて訓練されたと仮定される。
McKinneyは、呼吸概念の概要を提供することによって、呼吸と呼吸サポートに関する彼の章を完成させる。彼は述べる ― 呼吸の別々の構成要素が一本化された全体にまとめられなければならないと、そして、それらが習慣的になるまで、その呼吸技術は意識的な支配のもとで保たれる必要がある。
多くの歌唱教育者は、より現在の科学研究に基づく呼吸についての彼らの指導方法を変えるか、修正しようとしている。何人かの教師は現在、学生歌手を、歌唱のための効率的な呼吸管理システムに向かうのを助けるために、呼吸のほとんど純粋に機械論的な説明を使っている 、その一方、他の教師は、イメージと概念を使って、学生が理解しそれを使うことができる方向に生理的事実を得ようとする 。Rovert White(1988)は、歌唱先生には科学的な知識に関して確かな責任があると考えている 。
『歌唱教師は、2つの大きな責任を負う。第1は、歌声が出される生理的機械的プロセスの完全な理解を得ることである….歌唱の先生に対する第2の責任は、生理的機械的プロセスについての彼らの理解に基づく概念[イメージ]を明確に述べること、そして、生徒に理解でき、歌唱テクニックの開発にあてはまる言葉でそれらを生徒に示すことである』。(White、1988、26ページ)。
Whiteはまた、息を吸うまたは使われるための唯一の方法があったとしても、これらの概念を教える方法はたくさんある、そしてそれは、教師の想像力によってのみ制限されるイメージを変えることによって引き起こすことができることを我々に思い出させる。Whiteは、学生にすべての筋肉の動作を教えることを唱道することはしない、しかし、教師には、生徒を助けるための生理的に正しいイメージ以外に、彼または彼女が有意義な生成を可能にするレベルに至るまでの知識があると、彼は主張する。
Whiteのアプローチは、現在の科学研究の多くを利用する:彼は、姿勢と呼吸の関係を理解する、彼は、その迅速かつ容易な降下を可能にするための同時に起こる腹壁の緩和によって、横隔膜に吸気に対して原動力の役割を与える、そのうえ、システムを調整して、歌声をサポートするその役割のために腹部に正しい活動を与える。Whiteのモデルは理解するのが簡単で、明らかに生理学の命ずるところに従う。彼は、これらの狙いを達成する際に彼が役立つとわかった イメージを論文にリストし続ける。McKinneyと同様、彼は、生理学をイメージに合わせようとすることよりもむしろ、イメージを生理学に調和させる。
歌の呼吸について長い持たれた信条のいくらかを放棄することは、科学的な事実が明らかとなったときですら、依然として困難なようである。Leon Thurmanは、以下のように述べる
『歌唱教育の専門職は、現在、前‐科学的な発声教育学から科学に基づいた発声教育への数十年の長さに於ける歴史的な過渡期にある。この過渡期の間、前‐科学的と科学ベースの概念、用語法と実行の混在は避けられない』。(Thurman、2004、28ページ)。
Thurmanは、今日、発声スタジオで存在し使われ続ける、呼吸について7つの前‐科学的な概念を確認し続ける。
概念1:『熟練した話し方と歌い方のために呼吸する自然の方法がある、それは無意識である』(Thurman、2004、30ページ)。これは、初心者によって使われる呼吸パターンのタイプである。この呼吸の自然型が再生され、記憶されることができるならば、歌唱はすばらしいものとなると結論される。
呼吸のこの概念に関する主要な問題は、『ナチュラル』の言葉である。自然は、遺伝的性質によって定められたことを意味するか?それは、生理的に最も効率的であるということを意味するか?確かに、呼吸器系には、自然または生理的に引き起こされる動き方があるのは本当である。体自身の正常又は自然の機能に基づく呼吸戦略は、生理的に可能であるが、異常であるか能率が悪い、あるいは、主要な機能が呼吸でない筋肉を使うそれらよりより効率的なことは確実である。
生命のための呼吸(換気の呼吸)は、無意識(眠っているときにも呼吸する、そして、練習のために子宮でさえ起こる、in the womb for practice)に行われ、呼吸ニューロンによって、血液中の酸素のレベルに基づき呼吸の速度と大きさが管理されるというのは本当であるとはいえ、すべての呼吸が無意識であるというわけではない。いかなる記載の発声のための呼吸も、この状態から説明し始める必要がある。これは、自発的な呼吸になる。Thurman(2004)は、習得された呼吸協調が、脳の皮質下運動野へ伝達させられるために、筋肉共調運動のそれらのタイミング、シーケンスと強さの細部を可能にするのに十分の経験を度々したとしても 、選ばれた時間に必要とされる呼吸パターンを始め、皮質下運動野が細部を演ずることを可能にするのは、やはり前頭皮質であることを、我々に気付かせる。(34ページ)。これはが意味するのは、一旦訓練されるならば、歌手は、すべてが単に呼吸のことを考えるだけで正しく働くように、呼吸が基本的に無意識であるのを感じるかもしれない。
歌手は呼吸器系の生理的原則に従う呼吸管理システムを開発し、それらが皮質下運動系にプログラムされ、ほとんど無意識であると感じるまで、それらのパターンを練習する必要がある。
概念2:『横隔膜の筋肉の動作は、無意識で、習得した意図的な行動を受けない』(Thurman、2004、30ページ)。思案のこの楽派に属する人々は、横隔膜の感覚神経支配は、歌手が横隔膜コントロールのために必要なフィードバックを得ることを許さないと信じている。
横隔膜が、筋肉の部分部分にわたって別々のコントロールを可能にする感覚神経支配を持たないにもかかわらず、息の流れと圧力の微妙な変動は歌唱に対して報いられる。
Thurmanは、以下のように述べる:
『これらの微妙な変動が生み出されることができる1つの方法は、(1)肺-気圧と息の流れを生成するための1つの推進力としての腹筋と、(2)チェック機能としての胸の横隔膜の筋肉を同時に共収縮することである。この対抗する反対平衡は、微調整された運動協調性により多くの可能性を提供する…』(Thurman、2004、32ページ)。
この種の反対平衡は、多くの点において不自然な活動であることがわかる、そして、熟達した歌手が、少なくともある程度は、横隔膜の意識的なコントロールをすることを示唆する。チームとして働いている吸気と呼気の筋肉による全体の呼吸器系のこの活動は今では十分理解される、そして、疑いなく、十分に訓練された歌手は、横隔膜をコントロールするのを助けるために、呼吸器系の他の部分を使うことができる。
概念3:『吸気の間、下部の肋骨と背中の(例えば外肋間筋、広背筋)吸気筋は大きく関与する、一方、腹部および骨盤隔膜筋肉は受動的となる』(Thurman、2004、30ページ)。横隔膜の吸気活動は認められるが、目立たない。これは、支えの『ベリー・アウト』楽派である、そこでは、横隔膜と腹筋は、『ベリー・アウト』の姿勢を維持することに関与するとき、呼気は背中の筋肉でコントロールされると思われる。この視点は、静かな呼吸と、話し声と歌声の呼吸における呼吸器系に関する我々の知識を得ることによって、実は今では全く支持されていない。
概念4:『前の観点の変形[概念4]は、収縮していない腹筋の受動的な拡大と骨盤隔膜の受動的な沈下による吸気の間の、横隔膜筋の活動を強調する』(Thurman、2004、31ページ)。『ベリー・アウト』楽派のこのバリエーションはまた、次のことを強調する ― 腹部のおよび骨盤底筋は呼気をコントロールしないと;腹筋と骨盤隔膜が、呼気中に後ろにはねると考えられるとしても 、それは、背中と下部の肋骨の筋肉の役割である。
概念3と4はどちらも、腹部および骨盤底筋の使用を、呼気筋としてのそれらの役割においてよりは、むしろ排便と体からの排泄物の放出での役割において、頼みにしている 。McKinneyが指摘するように、これらの呼吸スタイルは横隔膜をその下の位置に固定しようとする。Thurmanは、これは、特にフレーズ中の息継ぎにおいて 、吸気の主要な筋肉として、横隔膜がその役割を果たすのを妨げると言う(Thurman、2004、34ページ)。強制的な排便と別種の運動の間の問題もある、胸内圧を維持するために喉頭はしっかりと閉じられる。これは、歌唱のための喉頭の効果的なセッティングではない。

概念5:『横隔膜筋が胸の横隔膜を降ろすために収縮する時、(1) 肺の拡大を最適化するために、吸気筋が収縮する時、(2) 下部肋骨の外向きの変化を最適化するために、吸気の間、胸郭は『上げられて、開いて』保たれる』(Thurman、2004、31ページ)。呼気の間、腹部の筋肉が腹腔内容物を収縮させ、それらを押し上げ、空気を噴出しているのに対して、肋骨は高い姿勢を維持することが必要とされる。空気が胸から放出されるとき、安定した流れを維持するために下部の肋骨の筋肉も必要とされる。これは、支えの『ベリー・イン、そして、アップ』楽派である(Thurman、2004、31ページ)。
概念5の使用は、息を吐く機能へ腹筋および骨盤底筋を適切に補強する、しかし、Thurmanには、高い胸郭を求める要求が、歌手の姿勢配置をゆがめるかもしれないという若干の懸念がある、そして、それは発声にもよくない。『典型例として、『胸骨を高く保つ』指導は、高い胸と頭が後ろに傾けられ、そして、脊柱の腰椎と胸椎は互いに圧縮されるので脊髄屈筋の短縮に結びつく。』(Thurman、2004、35ページ)。
概念6:『歌うとき、最適の或いはバランスの取れた相互作用的調整は姿勢と呼吸筋の間で生まれる。この呼吸連携作用はMillerによって解説された…そして、イタリアのappoggio[上述]の概念で伝えられる』(Thurman、2004、31ページ)。appoggio楽派の教師は、学生によく言うのは、呼吸が正しくバランスが保たれるとき、腹部と胸部があまり動かず、そして、腹部での筋肉作業の感覚がなく、単に『張力のエネルギー』だけになる。
推薦がそれの良いものであるが ― 腹部と胸声区で張力のエネルギーの感覚があることに対する忠告は、歌手があまりにたくさんの筋力を使うこと、そして、肺に過度に圧力をかけることから防ぐことができることにおいては良いものであるが、歌手が吸気の位置のままであるという主張は、胸郭(それは歌唱の呼吸圧の主な制御装置である)が、適切な肺圧の生成に関与することから妨げられることを意味する(Thurman、2004、35ページ)。
Miller(この方法についての最も有名な支持者)は、横隔膜が収縮の直後に弛緩すると全く明解に述べて、気流、呼吸圧または支持を維持して、肝心な部分を取り入れない。
Miller(この方法で最も有名な支持者)は、全く明解に次のように述べる、横隔膜は、収縮の直後に弛緩する、そして、空気流、呼吸圧または支えを維持することでの実際の部分を取り入れない。これは、横隔膜が、息を吐く腹筋の動作に対して、ブレーキ(力を抑制する)を緩める機能を実行することができると言う概念に一致しない 。
この概念(姿勢の筋肉と呼吸筋の間の平衡相互作用がある)はよく生理学的な事実に基づいた優れたものである、しかし、残念なことに、この概念の詳細、それが教えられる方法と知覚される方法は、これらの生理学的要求に従い続けない。
Consept 7:『良い呼吸サポートと良い呼吸接続は、熟練した歌唱の特質である』(Thurman、2004、31ページ)。この概念の支持者は、たいてい『あなたは、横隔膜呼吸を学ぶ必要がある』、『横隔膜から呼吸しなさい』、そして、『腹の筋肉で呼吸しなさい』のような呼吸についてのわかりやすい指示だけをする(Thurman、2004、31ページ)。
残念なことに、呼吸の開発のために、この楽派によって用いられるテクニックの多くは、具体性に欠ける。それらはより良い呼吸を助長するかもしれない、しかし、実際の歌の呼吸についてのプロセスが適切に説明されていないので 、『それらはすべてプロセスについて神話-概念に至る可能性、あるいは、それらは他の等しく重要な声の連携における非効率性につながる可能性がある』(Thurman、2004、35ページ)。
Whiteが彼の1988年の論文で主張しているように、現代の多くの教育者は、生理学的に正確で、Thurmanの基準を満たすだけではなく、教え、学ぶのが簡単な呼吸戦略を開発するために、新しく習得した科学的な知識を使うことを試みている 。Janice Chapman(2006)は、{生理的事実に基づくだけではなく、長期にわたって彼女の発声スタジオで取り組んできた、呼吸と呼吸サポート・システムを概説する。
Chapmanは、腹部ガードル筋と下腹部恥骨結合(LAPS)に付着する ものによって、すべての歌唱が支えられなければならないと考える。彼女はまた、横隔膜は、歌唱に十分ではあるが自然な吸気を可能にするために、降下の際に自由で妨害されてはならないと考えている。彼女の教育学において、吸気は『SPLAT』操作に基づく。SPLATは、次のように記述される:
『まるで飲んでいるストローによって、使用できる息の終わりまで姿勢を崩さす、すぼめられた唇を通して息を吐きなさい。二、三秒の間この姿勢を保ちなさい ― 体のどこに緊張があるかに注意しなさい、すなわち、ウエスト・バンドに置いた手、剣状突起部(胸骨と肋骨の先端)と下腹部/恥骨結合(LAPS)をチェックしなさい。それから、すべての緊張を解放して、どのようにして空気が自動的に肺に吸い込まれるかに注意しなさい。これの理由は、横隔膜が収縮して、すばやく下降し、肺に真空状態をつくることができるということである。この解放の間、姿勢調整が維持されていることを認識しなさい、すなわち、姿勢調整が失われるならば、この迅速な横隔膜降下は有効ではない。これは、SPLAT呼吸の基礎である』。(Chapman、2006、42ページ)
Chapmanの教育学において、空気の外へ向かう流れのコントロールの強調は、腹筋および骨盤底筋による。横隔膜吸気の直後に、歌手は臍を引き込むよう求められ、それによって腹部ガードルとLAPSの筋肉を起動させ、腹腔内圧を増やす。肋骨は、肺の加圧をコントロールすることができるように、自由なままで、いかなる特定の位置にも拘束されない。Chapmanの教育学は、以前にWatsonとHixon(1987)によって確認された、歌の呼吸についての特徴の多くと一致している。
『私の教育学において、SPLAT吸気は、腹壁が脊柱の方へ動く直後に起こる、それは腹部ガードルとLAPSの活性化をもたらす。これは腹腔内圧と胸内圧を上げて、発声の始まりと同時性を持たせる。これは、歌手に完全なコントロールによって圧縮空気を使う能力を与える。それはあたかも、歌手は同じ支え部のもとにアクセル(前方腹壁とLAPS)とブレーキ(腹部の肢帯、両脇と背中、従って、横隔膜)を持っているようである。』(Chapman、2006、41ページ)。
Chapmanはまた、姿勢維持の筋肉と呼吸筋の間の相互作用にも関心を持つ。彼女は、歌手に大いに影響を与えることができるこれらのシステム間の重要な相互作用があると感じる。
彼女はそれから、彼女が説明したやり方で、呼吸生理学の使用を促進するために一組のエクササイズを提示する。彼女は、原始の音の概念を使う ― 彼女の呼吸テクニックを支えるために。原始の音(例えば笑い、叫ぶ(crying)、すすり泣き(sobbing)そして泣き叫ぶ(wailing))は、感情的な運動系の管理下であると考えられる。これらの原始の音の生成は、我々の動物の脳の深い所に基部を有する、神経病学的に結線で接続された呼吸器系からの返答を召喚する。歌手は、連動装置の度重なる刺激によって、これらの接続と筋肉の交互作用に対するコントロールを身につけることを学ぶ ― 意識的な認識と必要とされる運動の実行に至るまでの感覚を高める (Chapman、2006)。
Chapmanの教育学において、呼吸筋は始原の機能との一致によって働くことが求められる。教育学のための科学的根拠がある。呼吸、支えと姿勢の間の相互作用は理解される、そして、呼吸法は発声器官の他の構成部分に干渉しない。
さらにChapmanは、歌わないで行われるいくつかの呼吸訓練を推薦する。特に、彼女は、学生が必要な接続をするのを助けて、歌唱のために呼吸サポート・システムを開発して、強化して、調整するために、必要な練習を成し遂げるためにアクセント法の使用を提唱する。
過去50年からの教育者のキー・グループのアプローチを調べることで、彼らが、呼吸、呼吸サポートまたは呼吸管理を教える方法において多くの変更がなされたことを明らかにしてきた。アプローチにおけるこれらの変更は、呼吸と歌の呼吸の研究に基づき、1950年代から実行された。しかし、一部の教育者は、教育の根拠として前科学的なイメージまたは概念を使い続ける。他の人(たとえばMiller)は、一種の疑似科学を使うか、彼らが科学的な知識に払う 注目度に従ってえり好みする。この章の始めに特定された、呼吸管理の楽派のうち、ただ『ベリー・イン』楽派だけが本当の科学的基礎を持つように思える。歌唱のために使われなければならない正確なメカニズムは、まだ不確かである、しかし、Thueman(2004)によって提示される基準を満たさないあらゆる教育学は ― 前の章の調査結果に基づいて ― 基本的に無視することができる。科学とそのトレーニング面にその強固な基礎を持つアクセント法は、歌唱のための有益な呼吸管理戦略と考えることができる。それは歌唱の『ベリー・イン』楽派に属する、Janice Chapmanのような教育者によって、活動的に奨励される。

 

2018/12/17 訳:山本隆則