The Vocal Folds < The Intrinsic Muscles < Chapter 2 ANATOMY OF THE LARYNX < THE FUNCTIONAL UNITY OF THE SINGING VOICE by Doscher, Barbara M. 初版1994年

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声帯
おそらく、それについて最もよく話されるが、最も理解されていない喉頭の器官が声帯である。それらは靱帯の縁を伴う2つのくさび形の筋肉の束から成り、全体は粘膜でカヴァーされている。これらの襞は甲状軟骨切込み(ノッチ)の内面から始まり、後ろで披裂軟骨に付着する。それらの解剖学的名前は、甲状‐披裂筋である、起点の場所の甲状-軟骨と付着の場所の披裂-軟骨である。
声帯筋または内甲状披裂筋は声帯の主要部分となる、そして、その第一の機能は等尺性の緊張筋(tensor)としてである;それは部分的、或いは断片的収縮によって振動数と振動の仕方を変えることができる。
襞をカバーする粘膜は、弾性円錐と呼ばれる。人の手の裏の皮膚のように、それはゆるく合わさっているので、縁または声帯靭帯は、主要な筋肉部分とは比較的無関係に振動することができる。
声門(声帯の間の空間)の寸法は個人差によって、さらに一人の中でも非常に変動するが、声襞の前部、或いは、膜質部はそれらの全体の長さのおよそ3分の2をしめている。残りの3分の1は軟骨部分と呼ばれる、それは、その辺縁が披裂軟骨の声帯突起(先端)からなるからだ。声門の形とサイズは、披裂軟骨の回転によって、声門下圧によって、声門を通過する空気流によって、そして、喉頭筋の収縮などによって影響される。
声帯は、一般に白い靱帯の縁を伴う明るいピンク色である。喉頭炎の人々では、血管の充血によって明るい赤になる。声帯の形態または身体構造はアペンデックスで、声帯結節の原因が検討されるとき、より詳細に調べられる。
声帯が極めて複雑な緊張と弛緩のメカニズムであることは、明らかである。臨床調査が進むにつれて、これらの2本の筋肉の小さいくさびの複雑な性質はさらにより明白になる。声帯は多層性筋肉のようであり、それらの多方面にわたる機能は驚くべきものである。それらはそれら自身を短くすること、横に収縮すること、振動部分の長さと厚みを変えること、さらに他の部分がリラックスしているときに、その部分を緊張させることができる。人工の楽器は、この種の融通性に匹敵することはできない。