[Resonance in Singing, p.110-124]

用語集
(Donald Gray Miller)

(太字イタリックの用語は、用語集として別に記載する。)

acoustic neighbors 音響的隣音
母音空間の図表で互いに隣接する母音は、音響的隣音と称される。声道は、フォルマント周波数が、加えられ、連続して調整されることによって、一つのものから別のものへと動かすことができる。

acoustic/articulatory phonetics 音響/調音の音声学
音響音声学はスピーチの音の研究で、音の特性によって分析される。サウンドスペクトログラフ(第二次世界大戦の間に考案される)の助けを借りて、言語音は、それらのフォルマント周波数の用語で分析されることができた。そして、この本の大部分に情報を与える知識に導いた。サウンドスペクトログラフが発明される以前、音声学は声道の見える(そして、それほど見えない)調音器官に関して主に研究されていた。そして、その音声学の部門は、調音音声学(articulatory phonetics)として知られている。

amplitude 振幅
この本において、振幅は、音、または、その周波数成分の1つのデシベル量の、信号の強さの定量的尺度である。

appoggio アッポッジオ 
Appoggioは、「支え」を意味するイタリア語である。
しかし、支えと同様に、発声教師の間で、この語は、激しい議論の対象となりうる終りのない微妙な違いをもたらした。

articulators 調音器官
フォルマント周波数(調節可能な)(呼吸流力だけでなく)を測定する声道 ― など舌、唇、あご、ベーラム ― の可動部分は、まとめて調音器官と呼ばれている。

back vowel 後舌母音
後舌母音は、比較的低い第2フォルマントと唇のラウンディングに至る傾向のもの、(主に[u][ɯ][o][ ɔ][a]の系列(閉じるから開くへ))である。前舌母音混合母音と比較しなさい。

bandwidth 帯域幅
フォルマントまたは共鳴は、周波数の限られた音域(帯域)に反応する。それが反応する帯域幅がより広いほど、音はより速く衰えるか、減少する。共鳴体として、声道は、声門が閉じられるとき、より狭い帯域幅としたがってより高い音質をもち、大きな閉鎖指数(closed quotient)の長所の1つであると説明する。

belting ベルティング
用語ベルティングは、さまざまなコンテンポラリー・コマーシャル・ミュージックの異なる形に、最も典型的には、女性歌手の比較的高いF0sでの『胸声区』音声源のより大音量の使用に使われる。典型的なベルトは、第2倍音の上に第1フォルマントを固定する(この本の使用法で、F1/H2)母音の高いピッチ(C5またはD5)と考えられる。

‘chest’/’head’『胸声区』/『頭声区』
『胸声区』と『頭声区』(一重引用符のこの本の)は、ヨーデルの反対側で見つかる声帯の2つの主要な振動方法を示すのに用いられる特定の用語である。『頭声』は、一部の人には論争の的となる用語「ファルセット」と呼ばれている。我々は、それを避けようとする。

chiaroscuro 明暗法
このイタリアの用語は、「明るい暗い」ということを意味して、所定の歌われた音で高周波と低周波のスペクトル成分の組合せを指す。クラシカル・テクニックにおいて、理想はこれらのバランスをとることであるが、同等の振幅がそうであるとは限らない。「明るい」(chiaro)成分はしばしばシンガーズ・フォルマントによるものと考えられる、しかし、第2フォルマント・チューニングもまた充分な明るさを生じることができる。

chromatic scale 半音階スケール
半音階のスケールは、普通の全音階と区別され、全音と半音の混合で一連の半音である。

classical technique クラシカル・テクニック
クラシカル・テクニックは、一般に「クラシック音楽」と呼ばれる作品内容でオペラ、リートと合唱音楽として普及してきた、いたいろいろな楽派で修練された歌唱へのアプローチのための、かなり漠然とした、包括的な語である。その典型的な特徴は、音域の拡張、均一なスケールにおけるレジスターのブレンド、女性の声の十分な使用、そして、非増幅された音(共鳴に特有の重要性を与える)である。

contemporary commercial music (CCM) コンテンポラリー・コマーシャル・ミュージック
コンテンポラリー・コマーシャル・ミュージックは特に女性の声に関する最近の用語で、特定の種類の歌唱を示すのに多くの人によって用いられる。そして、それは我々が「クラシカル」・テクニックと言うものとは著しく異なる。クラシカル・テクニックにおいて中声区に当たる音域で、CCM歌手は、しばしば「チェスト・ミックス」と呼ばれるものの多様な形をしばしば使用する。CCM歌唱の多くにおいて、声の増幅が当然と思われる。

close 閉じた
歌手が、開きとは正反対のことを意味する、母音を閉じることについて話すとき、彼らはたいてい第1フォルマントを降ろす発声のことを意味している。これは特にカバーに関係して、パッサージオで、そして、それより上の音域に第1フォルマントを不適切に上げる(レジスター違反)ことを避けるために、決まって使用される。また、閉じた、開いたは母音に適用される形容詞で、それぞれ、低い第1フォルマント、高い第1フォルマントのことを指す(図4.4、4.5を見る)。

closed quotient (CQ) 閉鎖比率
閉鎖指数は、声門サイクルにおいて、声門が肺からの空気の通過を閉鎖する長さ(周期)のパーセンテージである。効果的閉鎖指数(effective closed quotient)は、本にて用いられているように、たとえ小さな開きが若干の空気を声門を通して通過させるとしても、声門の下と上のスペースが音響的に別々である限り、声門の閉鎖期を持続させることと考える。

close vowel 狭母音 : 開母音open vowelを参照

clustering クラスタリング、集積性
フォルマントは、互いに接近するとき集め(clustere)られる。2つのフォルマントが互いのおよそ400Hz以内にあるとき、顕著な共同影響がある。そして、両方のフォルマントだけでなく、2つのフォルマントの間に位置するどんな倍音の振幅をも増やす。シンガーズ・フォルマントはF3、F4、F5のクラスタリングの結果である。

continuous/line spectrum 連続/線スペクトル
連続スペクトルは、振幅が測定される音域内のすべての周波数を含む。それは、周期音の倍音だけを示す線スペクトルと対比される。非周期性音は、完全なカーブを生成する。

covered カバーされた:第8章を参照
Coveredは、高音への拡張のためのパッサージオを乗り越える際に、典型的に使用される母音の明らかな「暗くすること」を記述するのに用いられる歌手の職業語からの用語である。今までは、我々は「開いた」「カヴァーされた」音を区別する。この本では、男性の声で、第1フォルマントが第2倍音の下に位置にあるパッサージオ音域の中の音を示すのに、用語カバーされるが特に用いられる。

CT and TA CT(輪状甲状筋)とTA(甲状披裂筋)
輪状甲状筋(cricothyroid: CT)は、声帯のストレッチャーであり張筋である、そして、甲状披裂筋(thyroarytenoid: TA)の拮抗筋である。声帯振動(head 頭声chest 胸声としてこの本で示される)の主要なモードにおけるそれら各自の優位性のために、一部の著者は、モード自体の短縮形として、CTとTAを使う。

decibel デシベル
デシベルは、相対的な音圧レベル(SPL)または物理的な強さを計るために使われる単位である(「ラウドネスス」という音響心理学的な用語と対比されるように)。大部分のデシベル測定は、2つの音の間で(またはパワースペクトルで場合のように同じサウンドの周波数成分の間で)強さの違いを決める。(相関的な)デシベ量は、基準量がディスプレイの頂上(0デシベル)である表示の負数として示される。絶対的デシベル測定値は指定された最低量に関してある。そして、知覚の出発点で通常はセットされる。ピアノ・キーボードの振動数のように、デシベル単位は対数関数的(logarithmic)である、そこで、あらゆるオクターブは二倍になる。

diminuendo ディミヌエンド
ディミヌエンドは、音の強さを小さくすることを示すイタリア語である。

dominant harmonic 優位な倍音
ある倍音が、スペクトルにおいて、いくらかの任意の量、例えば5デシベル、他の倍音にまさるとき、我々は倍音が支配的であると言う。その倍音の周波数成分は、他の成分の代価で、定在波の形を決定する。

effective closed quotient 効果的閉鎖比率 (閉鎖比率を参照)

electroglottograph (EGG) エレクトログロットグラフ:第2章を参照
EGGは、声帯間の相対的な接触を測定する非侵襲性装置である。歌声の調査において、声門周期振動数だけでなく、通常閉鎖比率も同様に明らかにすることができる。

“even scale”「均一な音階」
「均一な音階」は、拡張されたF0の音域での歌唱で、声区間の不連続をなめらかにすることをを指す歌手の職業用語である。

falsetto ファルセット
ファルセットは、通常、我々がこの本で『頭声』と呼んでいる、音声源振動モードにおける男声の発声を識別する語である。音声科学の文献では、その語は男性と女性の声で、『頭声』振動モードにあてはめることができる。

formant フォルマント
フォルマントとは、声道の多様な共鳴のことである。最初の5つのフォルマント(周波数で最も低い)は、歌われた音に対して重要な貢献をする。最初の2つの周波数(F1とF2と名付けられ、母音フォルマントと呼ばれている))は、母音を決定し、またフォルマント・チューニングにおいて、主要な変化要因ともなる。シンガーズ・フォルマントは、F3、F4とF5のクラスタリングである。フォルマント特性は中心の周波数を含み、それはフォルマント・チューニングと帯域幅において繊細に調節される、そして、帯域幅は反対にフォルマントの「音質」(フォルマントの滅衰率)によって異なる。

formant shadow フォルマント・シャドウ
フォルマント・シャドウは、パワースペクトルの低い(非和声的な雑音)境界に沿った小さなピークに与えられた我々自身の語である。フォルマントが、直接倍音周波数に合わせられないとき、フォルマント・シャドウは倍音の間で見つかる。(VoceVista入門書を見なさいる:レベル3(No.3))

formant tracking フォルマント追跡
フォルマント(倍音に同調した)が、声がピッチを変えるとき、異なる周波数に同じ倍音を追跡するときにフォルマント追跡と言う。

formant tuning フォルマント・チューニング
歌声の場面、フォルマント・チューニングとは、所定のF0と母音の組合せのための最適の共鳴構成に到着するための、最初の2つのフォルマント周波数の調整(=母音修正)のことを言う。

Fourier transform フーリエ変換
フーリエ変換は周波数成分をマイク信号のような複雑な波形から抽出する操作(数学的な)で、パワースペクトルを与える。そして、それには時間局面はない。

frequency 周波数
周波数は周期的信号の反復率である。そして、ヘルツ(Hz)または1秒あたりの周期数で表される。基本周波数(F0)は、ピッチ(F0の音響心理学的に対応する物)として知覚されるものを決定する。周波数は、周期の逆数である、1サイクルの継続時間。

frequency component 周波数成分
自然の音は、単一の音として聞こえるが、いろいろな周波数で変化する振幅の成分から、成り立つ。そして、それらはひとまとめにして音質となる。倍音の周波数成分は、基音の整数倍数である。

front vowel 前舌母音
前舌母音は、前に面する舌によって特徴づけられるものである。そして、第2フォルマントを比較的高くする。それらは、一連の(開いたものから閉じたものへ)[i], [ɪ], [e], [ɛ], [æ], ならびに、一連の「混合母音」(前に面する舌と丸い唇)[y], [ʏ], [ ø], [œ]を含む。後舌母音と比較しなさい。

fundamental frequency (F0) 基本周波数周波数を見なさい

glottal cycle 声門周期
声門周期は、声門の繰り返される開閉の一回の反復相から成る。

glottis 声門
声門は、声帯間の開口部である。

harmonic 倍音
倍音は、周期的サウンドの周波数成分の1つである。そして、H1、基本周波数(F0 = H1に注意する)と、H1の整数倍数:H2、H3、H4 etcを含む。倍音は周期的であり、非周期性雑音からは区別される。

harmonic series 倍音列
所定のF0の倍音列は、前のメンバーにF0を連続して加えることによって発生する:F0、2F0、3F0、4F0など。倍音列のメンバー間の音程は、各々がより高い段階になるに従って減少する:
H1-H2:オクターブ
H2-H3:完全5度
H3-H4:完全4度
H4-H5:長3度
H5-H6:短3度など

‘head’ 『頭声』『胸声』/『頭声』を見なさい

hertz (Hz) ヘルツ
秒当たりの周期数(周波数の単位)。

‘hoot’
hootは、声道で最も低い共鳴(第1フォルマント)によって優位を占める有声音の我々の呼び方である。声帯はしっかりと内転していない、そして、音声源は比較的弱い。F0は主に口の開きに依存している、そして、唇が必ずしも丸められてはいない。

interval 音程
音程(例えば長3度、完全5度、オクターブ)は、2つのピッチの間で特定の音階度数を示す。それらの絶対周波数に関係なく、特定の音程は2つのピッチのF0s(基本周波数)間で同じ割合を持つ。

inverse filtering 逆フィルタリング
逆フィルタリングは、口の開口部にあらわれる、空気の流れ(または音の)による声道(のフォルマント)の影響を差し引くことによって明らかになる、声門から出てくる空気流(音声源を見る)の波形を抽出するプロセスである。線形予測分析のように、それは低いF0sでより効果的である、そこで、第1フォルマントは少なくとも、F0より1オクターブ高い。

International Phonetic Alphabet(IPA) 国際音標文字
IPAは、あらゆる特定の言語において、アルファベットの使用にまさるスピーチの音のための一連の記号である。この本でのIPAシンボルは、常に角括弧で示される、例えば[i]。

isolated register 孤立声区レジスターを見なさい

laryngeal collar 喉頭襟
喉頭襟は、喉頭管の開口部であり、声門の真上の声道の部分である。狭くされた喉頭襟は、強いシンガーズ・フォルマントを生じるための条件の1つであると考えられる。

laryngoscopy 喉頭鏡検査法
声帯を見ることは喉頭鏡を使ってなされる、口に入れる堅いタイプ、又は、鼻を通して導入される光ファイバーのタイプがある。ファイバーオプティック・タイプは母音により多くの自由を見込む、しかし、声帯を見るために、狭い喉頭襟シンガーズ・フォルマントを生じるために不可欠であると思われる)は、妨害され続ける。

legarto レガート
音楽用語で、イタリア語で「bound together(結合する)」を意味する。レガート唱法(クラッシカル・テクニックにおいて非常に重んじられる)は母音の連続性を強調する。

“lift” 「リフト」
一部の歌声の実践者(おそらく特に声をセクションごとに割り当てたい合唱のコンダクター)は、声が「より重い」声質で出し続けるのをやめる音階の場所をしるす用語として、「リフト」を使う。この本の用語では、これらの現象は、おそらく第1フォルマントが第3または第2倍音を追跡することをやめるところで起こる。

linear/logarithmic 線形の/対数関数的な
1の変化に他の釣り合った変化が伴うとき、2つの変数の関係は線形である。サウンド・スペクトルの場合、我々は通常、周波数軸の間の所定の間隔(仮に1インチだとすれば)は、常にヘルツと同じ数を表す、周波数の線形表示を使う。対照的に、対数関数的な表示は関係を示し、そして、所定の間隔は、比率を表す。すべてのオクターブ、5度などが同じ長さであるピアノ・キーボードは対数関数的基礎を持つ。SPL(デシベル(対数関数的計量)の)も、対数的に表示される。

linear predictive coding(LPC) 線形予測分析(線形予測符号化)
LPCは、有声音でフォルマント周波数を推定するのに用いられることができるコンピュータで行われる複雑な数値演算である。スピーチ(男性で約120Hz、女性で約200Hz)の低い基本周波数では、無理なく役に立つが、それは300Hz(約D4)を上回る基本周波数では、全く頼みにならなくなるので多くの歌声のためにほとんど使いものにならない。

line spectrum 線スペクトル: 連続/線スペクトルを見なさい

logarithmic 対数関数的な:線形の/対数関数的なを見る

long time average spectrum(LTAS) 長時間平均スペクトル
LTASは指定された期間にわたってスペクトルの測定値を集め、それらを一つのパワースペクトルにまとめて示す。VoceVistaのLTASの使用のために、VVプライマー(レベルlj)を見なさい。

messa di voce メッサ・ディ・ヴォ―チェ
Messa di voceは、所定の音声が、非常に小さく始まり(pp)、非常に大きい(ff)ものまで徐々にふくらんで、終止の前に、非常に小さい音瀬戸徐々に弱くなる、歌唱操作のイタリアの語である。

mixed vowel 混合母音
混合母音は、前舌母音の前に面した舌を、後舌母音の唇のラウンディングと組み合わせる。閉じたものから開く開いたものへの連続は:[y]、[ʏ]、[ø]、[œ]。

narrow-band 狭帯域
スペクトル表示は、広帯域、倍音らを混合する(通常フォルマントをよりよく示すために)、或いは狭帯域、特定の倍音に対するフォルマントの効果を示すよりシャープな解像度を与える、のどちらかである。我々は通常、特定の倍音に対するフォルマントの効果を見る歌唱分析において狭帯域を使う。

natural register ナチュラル・レジスター:レジスターを見なさい

non-invasive 非侵襲性の
ある処置が、機能の通常の使用をじゃましないとき、それは非侵襲性であるとみなされる。歌声の場合、EGGは非侵襲性であるが、堅い内視鏡による喉頭鏡検査法は、特定の舌の位置が要求され、侵襲性である。

normalized 標準化
シグナルは、その大きさの1つ― 通常 ― が、求める基準に従うように自動的に調整されるとき、標準化されると言われる。VoceVistaでは、オーディオとEGG信号は、完全に波形表示に適切に標準化されて、したがって信号の絶対振幅に関する情報をあてにすることはできない。

open phase 開放期
声門のサイクルの開放期は、声帯が離れて空気が声門の間を流れるときである。

open vowel 開いた母音(開母音、広母音)
[a][æ]のような、高い第1フォルマントをもつ母音は、音声学上開いていると考えられる。例えば、[i][u][y]のような、閉じた(閉じた)母音は、低い第1フォルマント(F1s)を持つ母音たちである。中間に、半分開いたもの([ɛ][ ɔ][œ]); そして、半分閉じたもの([e][ɪ ][o][ɯ][ ø])がある。

overtone 上音
上音らは、複合音(例えば声)(基本周波数(F0)のすべての整数倍数)の倍音周波数成分らである。第1上音が第2倍音(H2)であるので、番号付けで混同する可能性がある。上音歌唱において、F0は抑制される、そして、通常第2ォルマント・チューニングによって、個々の倍音が強調されるので、別のピッチとして高い倍音が聞こえる。

passaggio パッサージオ
パッサージオは、レジスターの間の移行の音に対して一般的に用いられるイタリアの用語である。男性の声において、第2パッサージオ(secondo passaggio)とも呼ばれている所で、上への拡張のためのアプローチのことである(声種によって、一般的にD4G4の間で始まる)。一部の専門家は、第1(purimo)パッサージオを、より重要な第2パッサージオの下の4度または5度であると認めている。女性の声において、第1声区移行『胸声』から『頭声』への)は、第1パッサージオとしばしば呼ばれている、一方、第2パッサージオは、男性の(第2)パッサージオよりおよそ1オクターブ上の、譜表のトップの近くで起こる。

period, periodic 周期、周期的な
周期的音は、規則的な繰り返し率と、ピッチヘルツ(Hz)の単位では周波数として表わすことができる)を持つ。周期は1サイクルの継続時間で、周波数の逆数である。

pitch ピッチ
ピッチは、基本周波数(F0)音響心理学的な対応物である。この本では、ピッチはピアノ・キーボードでオクターブ・ナンバーとイタリックの音名によって示される:たとえば、「中央のC」がC4、それの半音下がB3である。

power spectrum パワースペクトル:スペクトルを見なさい

primary register transition(PRT) 第1声区移行
PRTは、声門の音声音源の振動パターンが『胸声』から『頭声』まで変わる、声のF0音域における(移動可能な)ポイントである。

psychoacoustics 心理音響学
心理音響学は、それらの物理的対応物とは異なり、音についての人間の主観的な認識に関係する。このように、それぞれ(心理音響学的な)音量とピッチは、音圧レベル(SPL)基本周波数(F0)から区別される。

real time リアルタイム
それらを生み出す音と事実上同時に現れる表示は、リアルタイムであると言われている。VoceVistaプロにおいて、オーディオとEGGスペクトルと波形は、リアルタイムに与えられるだけでなく分析のために凍結される。

register レジスター(声区)
レジスターは、全周波数の中の知覚された部分と、声の強さ範囲を示すのに用いられる語である。そして、それは他の部分からの音、またはメカニカル原理において異なる。歌声実践者は、音声源の振動パターンと共鳴変動の両方に基づくレジスターを認める。訓練を受けているクラシック歌唱では、一般的に、「ナチュラル・レジスター」である『胸声』、そして、「孤立した」(混ざらない)状態での『頭声』の振動パターンの間で、突然の移行をなめらかにしようとする。

registration event レジストレーション現象
レジストレーション現象は、1つのレジスターから別のものへの動きである。ヨーデルは意図的で分かりやすい例である、しかし、歌手は「均一な音階」をつくるためにレジストレーション現象を隠すこともできる。

register violation レジスター違反
レジスター違反は、理想的には異なるレジスターへの移動が起こらなければならなかったピッチでの特定のレジスターの多少強制的な持続に使用される語である。典型的な例は、胸声区を必要以上に高くすること。

resonance strategy 共鳴戦略
ピッチの上昇と、倍音間の距離が広がるにつれて、クラシック歌手は所定の基本周波数(F0)で利用できる倍音を最適に利用するフォルマント・パターンを見つけようとする。これらのパターンは、意識的であるか否かにかかわらず、この本では共鳴戦略と呼ばれる。そして、それはスペクトル・フィードバックによって知らされる意識的な戦略を採用する助けになる。

shadow formant シャドウ・フォルマント:入門、レベル3、Nr. 3を見なさい
我々はこの本で用語シャドウ・フォルマントを、すぐ近くのフォルマントを明らかにするパワースペクトルにおける倍音間での高いレベルの雑音を示すために使う。通常、そのような雑音要素はより強い倍音によって知覚的に覆い隠されるが、それでもマイク信号で見つけることができる。シャドウ・フォルマントは、低調波(q.v.)とは別である

signal-to-noise ratio 信号対雑音比
この用語は、(望ましい)信号と、信号を不明瞭にしようとする無秩序なバックグラウンド・ノイズの相対的なレベルを表す。声において、その比率は、声によっても発生する非和声的な音を越える調和的(harmonic)成分の振幅に該当する。高い信号対雑音比は、通常、歌声で望ましいと思われるが、低いレベルの雑音成分は「シャドウ・フォルマント」によってフォルマント周波数の場所を見つけるのに有効である。

singer’s formant シンガーズ・フォルマント
シンガーズ・フォルマントは、フォルマントF3、F4とF5のうちの少なくとも2つの集積性によってつくられる。そして、それは母音フォルマント、F1とF2と比べてほとんど変化しない。周波数レンジ1.3-3.5kHzで効果的な、オーケストラの音が比較的弱く、耳の感受性が特に強い所で、シンガーズ・フォルマントは、増幅されなかった声がよく聞こえるのを助けるのに役立つ。いくつかの声の高いピッチで、シンガーズ・フォルマントの共鳴は、総SPL(音圧レベル)の主要部分に寄与する。

sinusoid 正弦曲線
正弦曲線は、単一の倍音成分で単純な音の波形を描く。すべての歌唱は、複数の倍音成分で音を出すが、非常に優位な第1倍音(基本周波数での)を伴う音は、ほぼ正弦波の波形を持つ。

sound pressure level (SPL) 音圧レベル
SLPは、音の強さの物理的尺度で、デシベル(dB)で表記され、対数関数的測定である。それは、音量(心理音響的な評価)と区別される。

sound spectrum 音響スペクトル
音響スペクトル(sound spectrum)は、声道の「フィルタリング」効果なしで、声門から出てくる音の理論的構築である。1オクターブにつき-6~-12dBのスペクトラム傾斜を持つと考えられる。

spectral slope スペクトラム傾斜
スペクトラム傾斜は、スペクトルの振幅が周波数の増加と共に低下する割合である。それは、通常オクターブあたりのデシベルで示される。切り離された頭声区のスペクトラム・スロープは比較的急である;ベルティングの傾斜は比較的浅い。

spectrum, power spectrum, spectrogram スペクトル、パワースペクトル、スペクトログラム
音のスペクトル(狭帯域)は、その周波数成分の各々の相対的な強さを示す。パワースペクトルには、2つの側面がある:周波数(ヘルツの)と振幅デシベルの)。スペクトログラムは、3つ目の側面である時間と同時に色や灰色の濃淡で示される強さを加える。

spectrum analysis スペクトル分析
フーリエ変換によって、スペクトル分析は全体として認められるサウンドの個々の周波数成分を切り離して、示す。そして、声道のそれぞれの共鳴(フォルマント)の影響に対する洞察を可能にする。

spectrum averaging 平均スペクトル
ほとんど瞬間的なスペクトル(それはおよそ0.1秒の最小期間とられる)に代わるものとして、平均スペクトルは指定された期間(VoceVista で、0.2から10秒)の間のすべての音を結合して、結果としてのパワースペクトルを与える。LTAS(長時間平均スペクトル long time average spectrum)も参照

standing wave 定常波、定在波
音声信号で、突出した倍音の周波数成分が、エネルギーの比較的小さい喪失で開放期を通してその周期的(periodic)進行を続けて、次の声門の閉鎖から強化のためにうまくタイミングを合わせられたとき、定在波と言う。そのような音のスペクトルは、通常定在波の周波数で、優位な倍音によって特徴づけられる。

subglottal pressure 声門下圧
声門下(またはsubglottic声門下の)圧は、振動している声帯を駆動する声門下のプラスの空気圧である。

subharmonic 低調波
低調波は、F0の下の周波数の多少聞き取れる倍音である。最も一般的なタイプは、1/2F0で、あらゆる第2の声門振動が、わずかにより短い、または、前のものより長いとき、事実上周期を2倍にして、2で周波数を割るときに起こる。

tracking トラッキング:フォルマント追跡を見なさい

upper extension 上への拡張
胸声区レジスターでの自然な大きな声は、特にイェーリングで、強制しないとF0の限界に達することができない。この本の用語法において、クラシックで訓練された男性歌手の期待される音域の一部である限界を越えたピッチは、別のレジスター(上の拡張)と考えられる。その用語は、女性のクラシックの声で第2パッサージオより上のレジスターにも時々適用される。

velo-pharyngeal port 口蓋帆帆咽頭の出入口
口蓋帆咽頭口は弁である。そして、ベーラム(口蓋帆)によってコントロールされ、声道の鼻腔への通路を開閉する。

vibrato ビブラート
歌唱において、通常4.5と7ヘルツの間の率で、ビブラートは基本周波数(F0)の比較的小さな、ある程度の周期的変調である。

vocal fry ボーカル・フライ
ボーカル・フライは別のやり方で閉じた声門を通してゆっくりわきたつ空気のポンポンとなる音で、個々のチックが、およそ15~50Hzの率で聞こえることができる。トリックの非周期性継承は連続スペクトルを生じる。そして、特に声道の最初の2つのフォルマントの周波数を現す。「ボーカル・フライヤー」は、ときにVoceVistaのユーザーに適用されるあだ名である。

vocal tract 声道
声道は、一方の声門と他方の唇の開き(および/または鼻孔)の間の複合の空気腔である。声門の空気流(音声源)と可聴の放出された音を形づくるすべての共鳴は、このスペースと、それを囲む壁の特性である。

Voce Vista ヴォ―チェ・ヴィスタ
ヴォ―チェ・ヴィスタは歌声のためのフィードバックであり分析システムである、そして、(非侵襲性の)マイクとエレクトログロットグラフの信号を処理する。(www.vocevista.comを見る)。

voice pedagogy 音声教育学
音声教育学は、(歌)声を訓練する方法、或いは、歌手によって使われる楽器を造る方法についての研究である(ドイツ語:Stimmbildung)。

voice source 音声源、喉頭音源
音声源は、一般的に個々の空気のパフの連なりとして、振動している声帯を通して通過する体積速度波形(時間と競争で空気の体積変位を表す)である。音声源は振動している声帯に注目させるためにも用いられる。そして、それは声道から比較的独立している。

voice synthesizer 音声合成装置
F0、フォルマント周波数、スペクトラム傾斜、ビブラートなどのための入力を用いて電子的に声のような音を生み出す装置。高いF0歌唱とフォルマント周波数を測定する(分析として知られている)1つの方法は、人工的に類似したスペクトルを造って、使われたフォルマント周波数に注意することである。

voix mixte 混声
混声は、明らかに胸声区または頭声区/ファルセットではないが、それらの間の何かの声区を示すために歌手達によってよく使われる語である。それには長い歴史がある。そして、19世紀の前半に遡りパリ楽派の教育者達によって普及した。

vowel formants 母音フォルマント
声道の最も低い2つのフォルマント(F1とF2)/共鳴は、母音を「形成する」役割を果たす。同時に、それらは、フォルマント・チューニングにおいて使われる共鳴である。

vowel modification 母音修正
母音修正は、フォルマント・チューニングの考えに先行する音声教育学からの概念であるが、基本的に、同じプロセス(つまり、母音(フォルマント)がF0の変化に合わせるように調整すること)に対処する。

vowel space 母音空間
母音スペースは、我々がF1対F2の平面的な図表を参照するために使用する語である。そこにおいて、いろいろな部位(それらのF1‐ F2の組合せによって確認される)はいくつかの母音とそれらの微妙な違いを示す。(図4.4および4.5を見る)

waveform 波形
波形(振幅対時間として示される)は、繰り返される信号の一つのサイクルの形である。音圧(マイク)と声帯接触(EGG)の波形が、ここでの特べつな関心事となる。

waveform envelope 波形包絡線
VoceVistaで、波形包絡線(スペクトログラムと平行して示される)はコンパクトな(時間に関して)形のマイク信号である、そこで、個々のサイクルはもはや見えない。標準化されないので、それは音圧レベル(SPL)の役に立つ表示器である。

wired master class 有線のマスタークラス
伝統的なマスタークラスは、先生自身のスタジオ(さらなる監査役と一緒の多少一般のセッティングのすべて)の外で、すべてさらなる聞き手と一緒の多かれ少なかれ公開の場で、熟練の先生によっていろいろな生徒に与えられる一連の比較的短いレッスンから成る。生徒の(オーディオとEGG)信号が、出席者に表示され、直接の観察から明らかにされることが加わるとき、我々はそのようなクラスを「有線」のマスタークラスと呼ぶ。

‘yell’ 『イェール』
胸声区の高い音域の強制的な発声は、この本では『イェーリング』と称される。『イェーリング』は第1フォルマントが第2の倍音を追跡する自然現象である。そして、レジスター違反(register violation)のうるさい音を出す。

ヨーデル
ヨーデルは、ナチュラル・レジスター(それらの間で移行をなめらかにしようとすることよりもむしろ)の間で、(急速な)急変を利用する歌唱の形式である。

2018/07/02 訳:山本隆則