話したり歌ったりするとき、われわれは声(voice)を用いるということには誰も異論がないだろう。話したり歌ったりするとき、口唇、舌、顎、喉頭などを動かし同時に、肺から声帯へ空気を送り込む。このようにして音をつくり出し、それを「音声」(voice sound)とよぶ。音声とは話声または歌声のことで、目的に応じて呼び方が異なる。また、声として、例えば、咳払い、囁き、笑いなど、話し声や歌声とことなる音をつくり出すことが出来る。これらの音を音声と分類することにほとんど異論はないだろう。これらのことから次の定義が示唆される。
肺から送られた空気流が声帯による作用を受け、咽頭、口腔、場合によっては鼻腔により変化させられ、つくられた音を、音声とする。[Sundberg,  榊原健一:監訳 p.1]