鼻咽頭<咽頭腔
鼻咽頭の上部と後部の境界線は、蝶形骨の額角と、後頭骨の咽頭突出部によって形づくられる。下方の境界線は、軟口蓋の高さまでである。前方には、鼻咽頭は鼻腔の後方の後鼻孔に通じる; 横には、耳管の咽頭開口部と通じている。このように、鼻咽頭は後上方の壁と側面の壁を持っている。前方壁は、咽頭が鼻腔に通じているので不完全である。
鼻咽頭の側壁の目立つ目印は、耳管の咽頭口である。このチューブは、横に、後ろに、そして、やや上へ向かい中耳腔へ進む。耳管の軟骨骨格の咽頭端(内側の端)は、粘膜のはっきりした上昇を生じる。その結果、耳管隆起(torus tubarius)(チューブのクッション)と呼んでいる突出物によって、やや三角形の口の後部分は、特徴づけられる。図4-86で示すように、粘膜の襞は、耳管隆起の後縁から、下に垂直に進む。この襞は耳管咽頭ヒダ(salpingopharyngeal fold)と呼ばれ、耳管咽頭筋を有する。似かよっているが、より小さな襞は、耳管隆起の上の縁から軟口蓋まで進む。それは、耳管口蓋ヒダ(salpingopalatine fold)と呼ばれる。鼻咽頭は、咽頭口と耳管隆起のすぐ後の小さな領域に広がる。この目立つ陥凹は、咽頭陥凹またはPosenmullerのフォッサと呼んでいる。ここが、咽頭で最も広いところである。
咽頭扁桃として知られているリンパ組織の集合によって、鼻咽頭の後壁は、特徴づけられることを、あなたは思い出すだろう。鼻咽頭における第2の目印は、咽頭嚢(pharyngeal bursa)である。それは、後頭骨の咽頭突出部と同じくらいはるか上の咽頭扁桃の上部から伸びる粘膜の正中線陥凹である。[Zemlin, 342]