[Stark, Bel Canto 1999 74-5]

ガルシアは、それぞれの高音を歌うための、声門と咽頭の別々の関係によって決定される2つの方法を述べました。

その最初のものは、音を強化してくれる咽頭の協力なしで出される音。音の強度は、普通それを形成するために同時に振動する部分音の数に、そして、これらの部分音が振動するときの振幅によって決まる;その結果として、振動する部分音の数を減らすことによって音を減少させるということは実際に知られている。』これは、歌手が『咽頭の全ての筋肉をゆるめ』そして『空気の柱をますます狭くしたら』成し遂げられるといいました。ガルシアがここで示唆していることは、できるだけ少ない筋肉の関与による、弱い声門の閉鎖、低い喉頭、そしてリラックスされた咽頭のように思えます。この喉頭音源と声道のそれぞれの形を採用することによって歌手はより少ない高周波成分の音声を生成するでしょう。この音は大きな声の歌唱とは反対の小さな声で耳を打つことになるでしょう、たとえ音圧レベルが大きく異なっていようとも。ガルシアは続けて:

声門だけが振動し、楽器の他の部分全てがリラックスしている場合、空気圧はほどよく高まり、輝きと強さの増大が得られますが、決して音量は大きくはなりません。男声にとって、理論的に全く新しいこれらの所見から引き出せる大きなメリットが考えられ、そして、非常にまれに何人かの芸術家達によって本能的に適用されてきました。それらは、バス、バリトンそしてテノールのたいていは厚く高い音を、澄んだ音にするのに役立ちます。それらは、胸声区の音域を伸ばす練習の後のメカニズムを示しています;それらは高音でのこの声区のピアノとメッツア・ヴォーチェの使用、そしてファルセット音の極端な使用を可能にします;結果的に、それらは声区の結合を容易にします。(Garcia 1847, 2:58; 1975,161-2)

ガルシアがここで論じていることは、彼が生理学的に不可能であると考えているミックス・レジスターではなく、ゆるんだ発声とリラックスした咽頭を使って胸声区を上に広げるメッツア・ヴォーチェのことだと思われます。結果的に出る音は、高周波成分において弱く目立たない『半分の声(half-voice)』であることが分かります。この解釈が正しければ、ガルシアはその時点で、男声のmezza voce の詳細な記述をしたおそらく最初の著者となります。