CHAPTER III

ON THE FORMATION OF SOUNDS.
サウンドの形成に関して

今、ごく自然な問いが生まれます-声はどんなメカニカルな活動によって形成されるのか?その答えはこうです–それは、声門の出口での空気の周期的な圧縮と膨張によってのみ形成されます。喉頭にある2つの小さな内部の唇は、声門又は息の通路を形成し、互いに閉じてそれらの下に空気のタメを作り、その空気は圧力を受けることで弾力性を獲得し、声門の急激な膨張によって、その声唇を通って漏出します。 連続して規則的に膨張することで空気の膨張と収縮が交互に起こり、それが声のモトとなます、そして、声門の開閉の速さによって音のピッチが決まります*。

+以下は、声門がその寸法が短くなる過程をしめしています。音を出した瞬間、平静時に保持していた三角の形を直線の形に変えます。 その側面はしっかりと固定されその端が合わさることで、必要に応じて空気を逃がすための空間を中心だけを残しています。それは後ろの端が常に固定されている状態ですが、それだけも運動能力があります;前の端は常に固定されています。最も深い声が生み出されるとき、声門の側面全体によって活動します、つまり、軟骨部と腱質部の両部分が働いていますが、声が上昇し始めるにつれて、軟骨部分は、その全ての長さが合わさるまで次第に後部から接触し始めます。もちろん、この動きは、徐々に声門の長さを減少させ、腱質部分だけの寸法まで減少させます; 腱質部は、後ろから作用することで、振動する開口部の長さをさらに減少させます。


*速度が増せばますほど、ピッチはより高くなる。
+声門が短くなればなるほど、ピッチはより高くなる。

FORMATION OF REGISTERS.
声区の形成

声区とは、同じメカニズムによって生み出される連続した均質な一連の音群のことで、異なる種類のメカニカル手段に由来する他の音群とは本質的に異なるものを意味します。中声よりもはるかに大きな振動力を持つ胸声は、それゆえに声門のより確固とした収縮が必要で、この収縮は母音のEを発音することによって最も容易にもたらされます。中声は、一般的に2つのうちでより覆われており、多くの空気の消費を必要とします。これらの2つの声区は、その低音域で声門の長さ全体を振動させ、前に見たように、音階で声が徐々に上昇していくと、軟骨がどんどん接触していき、最終的には腱だけの振動をもたらします。後者によって、声門は、女性の声で頭声区と呼ばれる音声を形成します。

FORMATION OF TIMBRES.
音色の形成

様々な原因で声の音色が変化する傾向があります。

第1に‐–個々の声の形、容量、音量、硬さ、そして発声器官の健康状態、不健康状態など、個々の声を特徴づける固定的な性質のもの。
第2に—声門が閉じているか半開きかによって、生み出される音声は明るいか、鈍いかのどちらかだ。
第3に—それ(声門)を取り囲んでいる襞または上の腱は、 後退することによって音にボリュームを加えるか、 閉じる事によって抑えつけられた声を生み出すかのどちらかでしょう。
第4に—放出の間、音声が鼻または口を通して声道(Garcia:vocal tube)でとる方向性-そのチューブの形と容量-軟口蓋の活動-上下のあごの間の幅-唇のポジション-そして、最後に、舌の上昇と低下等々。

音が発された瞬間、音は、通過する声道の影響を受けるようになります。声道は、長くしたり短くしたり、収縮したり拡大したり、その曲線の形を直角に変える力があり、声の反射板の役割を最も完全に成し遂げます。したがって、音色の多様性は、声道が影響を受けやすい無数の機械的変化と一致します。声道は、喉頭の下(below at the larynx)から始まり、口蓋アーチ【the palate of the palate=the pillars of the fauches(口峡柱)】でカーブを描き、口の上(above at the mouth)で終わる、深くて弾力性のある管であると考えれば、これらの動きを理解できるでしょう。-そのチューブが最も短い時は軽いカーブになり、最も長いときはほぼ正しい角度になる;最初のケースでは、喉頭は、軟口蓋に向かって上昇し、後のケースでは、それに対応するために喉頭が下がります、一方、第2のケースでは、喉頭は下がり軟口蓋が上がり、それらの間の距離をより大きくします。短くなだらかなカーブを描く形状は、明るい音色を生み出し、逆に、 暗い音色(sombre)は、長く強くカーブを描いた形状からもたらされます。

明るい音色は、胸声区に多くの輝きを与えますが、誇張されると、声をかん高くしたり金切り声にします。一方、暗い音色は音に幅と丸み与えてくれます、というのは、後者によってのみ声の豊かさが得られるからです。しかし、これは誇張されるとき、音をおおい、鈍くてかすれた声にしてしまいます。

その作用は、高い声域でより低い声域の方が目立たない。

Intensity and Volume of Voice.
声の強さと量。

強さは、空気が肺から押しやられる力と、それが声帯に与えることができる振動の振幅、ならびに喉頭、胸部、肺、咽頭と鼻腔等々の大きさに依存します。声門は各々の振動の後に完全に閉まらなければなりません、そうしなければ、息の浪費は、強い声ではなく弱いこえを生み出すことになります。それ故に、声門は空気によって与えられた圧力に比例する抵抗を提供しなければなりません。声量は、声門より上で形成された空洞に依存します。

 

2020/06/18 訳:山本隆則