口蓋挙筋(口蓋帆挙筋)

軟口蓋の大半は、口蓋挙筋によって形成されています。それは見た目以上に複雑な筋肉で、側頭骨の錐体部の頂点から、そして、耳管の軟骨フレームワークの後・内側のプレートから生じます。図4-79で示すように、軟口蓋に挿入するために下向き、内側、前方に進む円筒状の筋肉です。
図4-80に図示されるように、口蓋挙筋の矢状面図において、隆線または円形隆起(L.、丸い腫脹)を作ります。
口蓋挙筋の繊維は軟口蓋の上面に沿って分布し、反対側からその仲間とかみ合っています。ある意味では、2本の口蓋挙筋が軟口蓋のための筋肉の釣り紐を形成しています。
図4-80では、軟口蓋の後部が硬口蓋の平面に対してほぼ直角になっていることに注意してください。口蓋挙筋の作用は、垂直部分を上げて、口蓋を少し後ろに引っ張ることです。この作用は、口蓋帆脹筋(tensor palati)の同時緊張作用によって補完されます。その結果、軟口蓋を後咽頭壁に接触させて、口腔から鼻腔を閉じるという複合的な作用が得られます。
[Zemlin 1981, p.334 訳:山本隆則]

口蓋帆挙筋
口蓋帆挙筋は、しばしば挙筋スリング(Mehendale、2004)とも呼ばれ、口蓋帆咽頭閉鎖の間、口蓋帆を上昇させる役割を担っています。これらの筋肉は両側で45度の角度で口蓋帆に入り、正中線で互いにかみ合う(一体となる)(Smith & Kuehen, 2007)。この角度が45度であるため、挙筋の収縮により、口蓋帆が後上方向に引っ張られて後咽頭壁に密着します。これらの筋肉が噛み合っているポイントは、発声時に口蓋帆の口腔表面の正中線上に見られる、口蓋帆のえくぼ(velar dimple)を形成します。
[Moon & Kuehn (2004) 訳:山本隆則]