可能な共鳴腔の要約 [Vennard, Singing  p.96]
354 共鳴体として重要であると考えられたいくつかの腔は、それ自体が不十分であるか、コントロールできない対象物かであるので、それらで頭を思い悩ませることは無用である。胸は、共鳴するよりはむしろ湿ったスポンジ状の素材で満たされている。洞は、それらが共鳴システムの一部とは考えられないような小さな開口部を持っている。気管は声区の難しさを引き起こかもしれないが、気管を調整することによってでなく、喉頭技術を習得することによって修正される。
355  2つの腔は、部分的なコントロールを受ける。1つは鼻である、それは変えることができないが完全に閉ざすことはできる、あるいは、他の共鳴体とつながることができる、他の鼻への影響の比率は、それらがコントロールされる方法によって決まる。もう1つは、「2800」(声に「鳴り」を与えると確認されたその部分音の振動数)を生成する腔。この極めて貴重な構成要素は、おそらく、喉頭蓋と披裂喉頭蓋ヒダのそばの声唇より上でづくられる空間、または、咽頭のいくつかの他の部分で生成される、そして、振動体が正しく機能しているときにのみ、それは正しくエネルギーを与えられる。この共鳴体(実は謎である)は、それにもかかわらず、喉頭の機能がコントロールされるのと同じ方法で、コントロールされることができる(すなわち、耳、過去の経験の記憶と詩的な連想によって)。生徒は、「2800」を聞き取れるように、それから生成するあらゆる音にそれを保つことを学ばなければならない。
356 残りの2つの共鳴体は、それらが共鳴効果の全音域を決定すると言われるような大きい範囲を制御することができる。鼻の共鳴さえ、頬と咽頭腔の調節によって境界を決められる。声区の要素と協力して、口と喉は、声質に於いて考えられるすべての違いを生成する。これらの違いは、美しさと不快のさまざまな程度、更には音色のスペクトラムを含む。我々は1つの章を母音に充てるだろう、しかし、これを去る前に、喉と口が最も快い音色を達成するためにコントロールされるだろう方法を考えなければならない。そして、振動体がよくその仕事を行っていると想定する。われわれは、どこでも母音がAhである必要があるとする。舌は異なる母音のために異なる形をする、しかし一方、良いAhを作ることは他の母音にも同様によいことである。私は、他の母音をAhの変更と考える。