舌骨上筋1<舌骨上筋(喉頭引き上げ筋)
二腹筋は一対の筋肉で、組織はかなりこみいっており視覚化が難しい。名前が示すように、顎二腹筋は2つの派手な筋腹から成る。それらは実際に2つの別々の筋肉であるが、めったにそのようにはみなされない。図3-34で示すように、前腹は線維軟骨結合の近くで下顎骨の低い辺縁の内側表面から、その起始点をとる。前腹と皮膚の間には脂肪の薄い層だけあり、筋肉のアウトラインはやせた人で見えることがある。これらの線維は下、後ろに向かい舌骨の小角部へ進む。
後腹(それは前方ものよりかなり長い)は、側頭骨の乳様突起から、その起始点をもつ。線維は下、前に、胸鎖乳突筋の内側に進む。2つの筋腹は、実際に茎突舌骨筋を突き通すように見える中間腱で会い、つながれる。この腱は、より外延的な舌骨上腱膜の部分である繊維のループによって舌骨の体部と大角の接合部に付着される。
想定されるように、顎二腹筋の収縮は舌骨を上げる、あるいは、舌骨が固定された位置にあるならば、それは下顎を押し下げる助けになるだろう。後腹の収縮は、舌骨を上、後方に引くが、前腹の収縮は、上、前方に舌骨を引く。両方の活動は、嚥下の初期段階に重要である。
例えば、筋腹が両方とも収縮するとき、舌骨は上へ直接引かれる、このように、嚥下の初期段階の間に、舌の底を引き上げ、口(硬口蓋)の屋根に対して押しつけられる。嚥下の第2の段階の間、後腹の収縮は、喉頭を上げて、舌根の下で、それを引く。この活動は、食物が喉頭に入るのを防ぐ助けになる。