声楽発声を勉強した人たちの中には、「喉をよーく開けて、あくびをするように声を出しなさーい!」とあくびをするような声で先生に言われた人が結構たくさんいるのではないでしょうか? 私は以前から、発声中にあくびをするようにして喉を開けようとすることに関して反対してきました。その最も大きな理由は、なんといっても嘘っぽい作った音質になってしまうからです。舞台上でセリフをしゃべったり、歌を歌ったりするものにとって、決して使用してはならない声があるとすれば、それは嘘っぽい、作られた声です、偽善的な役柄、或いは、日本人の声楽家の役なら別ですが。 また、純粋に発声技術の面から言っても「あくび」の使用には注意しなけ…
2016 4月
©Takanori Yamamoto