シンガーズ・フォルマント・クラスター(SFC)
より高いフォルマント(フォルマント3とそれ以上)は、特定の状況(低い喉頭、開いたのど、そして、狭くされた上喉頭出口(a narrowed epilaryngeal exit))の下で集合する。これはいわゆるsinger’s formant cluster (SFC)をつくる。その鳴り響く音質は、オーケストラなどの音を貫き声に運声力を与えるプロのクラッシック歌手と結びつく。(Sundberg、1974; TitzeとStory、1997)。それは、男性の声に最も特有であるが、女性の中間と低い声区、つまり、およそD5の下で歌われたピッチにとっても同様である。シンガーズ・フォルマント・クラスターは、ピアノの一番上のオクターブ(C7とC8)の中の、通常人間の外耳道が音量に最も敏感であるオクターブ(2400-3200Hz。)の中央にある。これは、人間の外耳道が、一次共振が3000-4000Hzの範囲にある1/4-音波の共鳴器でもあるからである。それらの周波数の範囲内で外耳道に入るいかなる倍音も、鼓膜へ行く途中で強い響きの後押しを受ける。一旦、歌われたピッチ自体が放出するのに十分高ければ、声帯共鳴(vocal resonance)はシンガーズ・フォルマント・クラスターに依存しなくなり、第1フォルマントによって共鳴している基本周波数の強さにますます依存する。この理由から、シンガーズ・フォルマント・クラスターは、高音域の声の高い声区での役割を減少する。
[Kenneth W. Bozeman, Practical Vocal Acoustics, 2013, 17]