Respiratory Function in Singing

Chapter 2
Mechanics
仕組み

Introduction
序文

力は、運動を生じるために呼吸器官に作用する。力と運動は、呼吸の機械的なレベルを構成する。

Forces

呼吸の力は、受動的および能動的な2つのタイプがある。受動的な力は(常にそこに)内在する。対照的に、能動的力は、意志と能力に依存する。

Passive Force
受動的な力

受動的な呼吸の力は、組織の自然な反動、肺胞内の表面張力【訳注:収縮しようとする力】と重力から来る。受動的な力の大きさと方向(吸気か呼気)は、呼吸器中の空気の量に依存する。平静時より多くの空気があるとき、装置は息を吐く(空気を外に押し出す)。装置に含まれる残りの空気が、平静時より少ないいならば、装置は息を吸い込む(空気を引き入れる)。装置に中に含まれる空気が少ないほど、吸気はより強力である。

Active Force
能動的な力

能動的な呼吸の力は、筋肉に由来する。この力の大きさと方向は、どの筋肉が能動的で、どんなパターンかによる。能動的な力もまた、どれくらいの空気が呼吸器内にあるかによる。装置内の空気が多いほど、生み出されることができる能動的な呼気力は大きい、そして、装置内の空気が少ないほど、生み出されることができる能動的な吸気力は大きい。


<短くする、そのままにする、長くする>
これは、フットボールの試合での戦略についてではありません。筋肉が活性中にできることです。ショートニング、マイオメトリック(縮約)またはコンセントリック(同心円状)収縮と呼ばれているように、筋肉は長さを減少することができます。または、それらは、固定長(fixed-length)又は等尺性収縮(isometric contraction)と呼ばれるように、同じ長さのままでいることができます。または、延ばすこと、プライオメトリック収縮または伸張性(eccentric)収縮と呼ばれているように、それらは長さを増加することができます(これは、筋肉外の他の力が、それ自身の活性化にもかかわらずそれを伸ばすときに起こることです )。生理学者には、どの種類の収縮が動いているかを見抜く方法がある。しかし、彼らはどんな呼び方をするべきか必ずしも確信がありません。幸いにも、彼らの戦略帳にはただ3つの選択肢だけがあります-短くする、そのままにする、長くする。


 

図2-1 胸郭壁の筋肉

 

Muscles of the Rib Cage Wall
胸郭壁の筋肉

図2-1は、胸郭壁の筋肉を表す。これらは、頸部と胸郭の筋肉を含む。吸気と呼気の力は、胸郭壁によって作り出される。

胸鎖乳突筋(sternocleidomastoid muscle)は、頸部の側面にある。それは、耳の後の頭蓋骨から起始する。繊維は下・前に走って、胸骨の最上部と鎖骨の胸骨端に付着する。頭部が固定されるとき、胸鎖乳突筋の収縮は胸骨、鎖骨と肋骨を持ち上げる。

斜角筋(scalenus muscles)の筋肉は頸部の側面にあって、前斜角筋(scalenus anterior)中斜角筋(scalenus medius)後斜角筋(scalenus posterior)を含む。前斜角筋は、第3から第6頸椎で起始し、その繊維は下に走って第一肋骨に挿入する。中斜角筋は、下部6本の頸椎から起こる。その繊維は下に走って、前斜角筋の後ろの第一肋骨に挿入する。後斜角筋は低い2または3本の頸椎から起始し、そして、その繊維は下に走って、第二肋骨に付随する。頭部が適所にある状態に保たれるとき、前斜角筋および/または中斜角筋の収縮は第1肋骨を上げる、そして、後斜角筋の収縮は第2肋骨を上げる。


<方向転換はフェアプレーです>

筋肉には起始点と付着点があります。そして、前者が固定端で、後者は可動端です。しかし、一方の活動のための筋肉の固定端が、他方のための可動端である場合があります。たとえば、斜角筋の筋肉の2つの端は、頸椎と肋骨に付随します。呼吸生理学者は、頭部が安定するとき、肋骨を上げる際の筋肉の行動に対する関心のため、頸椎を起始点と思うでしょう。対照的に、理学療法士は、肋骨が安定するとき、頸を曲げる筋肉の行動に対する関心のため、肋骨を起始点と考えるでしょう。展望とは、何かをどうにかすることです。方向転換はフェアプレーです。


大胸筋(pectoralis major muscle)は、胸郭の前面にある。それは上腕骨(上腕の骨)から始まる、そして、その繊維は鎖骨の高い肋軟骨、胸骨と内部のハーフに胸郭と挿入物を横切る。上腕骨が適切な位置にあるとき、大胸筋の収縮は胸骨と肋骨を引き上げる。

小胸筋(pectoralis minor muscle)は大胸筋の下側にある。それは、肩甲骨の前方から起始する。その繊維は下に、そして、第2から第5肋骨の軟骨近くに挿入する正中線の方へ、伸びる。肩甲骨が適切な位置にあるとき、小胸筋の収縮は第2から第5肋骨までを引き上げる。

鎖骨下筋(subclavius)は鎖骨の下から起始し、正中線の方へ走り、第一肋骨とその軟骨が接合する所に付着する。鎖骨が適所に係留されるとき、鎖骨下筋の収縮は、第一肋骨を上げる。

前鋸筋(serratus anterior)胸郭の側面にある。それは、肩甲骨の前部から起始する。その繊維は、胸郭の側面を前方に通って、第8または第9肋骨の高い部分に挿入する。肩甲骨が係留されるとき、前鋸筋の収縮は高い肋骨を上げる。

外肋間筋(exernal intercostals)は、肋骨間を充填する11の筋肉である。各々の筋肉は、繊維を 下・前へ向けて隣接した肋骨の間を走る。互いに、11の外肋間筋は、肋骨を相互に結んで、上から、頭蓋骨、頸椎と第1肋骨のまでを係留する1枚の筋肉を作る。肋骨間の筋肉が収縮するとき、隙間を結びつけた2本の肋骨の低い方を上げる。その肋骨のもう一つ下の肋骨もまた、それらのつながりのため、筋肉の全体的なシートにつながっているので上昇するだろう。外肋間筋はまた、部分群か全部一緒に収縮するだろう。また、外肋間筋の収縮は肋骨間を堅くして、内部で圧力が変わるとき、それらが中へ吸い込まれたり、外へふくらむことを防ぐ。

内肋間筋(internal intercostal)は、肋骨の間の11の筋肉である。これらは外肋間筋の下にあって、胸郭壁の両面の周辺から胸骨まで広がる。外肋間筋とは異なり、内肋間筋は胸郭の後ろで肋骨の間を充填しない。これらの筋肉繊維は、外肋間筋の繊維に対して直角に方向付けられている。グループとして、内肋間筋は、肋骨を互いに結び付け、そして、腹壁の筋肉を通して骨盤帯に結びつく1枚の筋肉を作る。肋骨間の筋肉が収縮するとき、それは隙間を取り囲む高い肋骨を下に引っ張る。筋肉の全体的なシートによってつくられるつながりのため、影響を受けた肋骨よりもう一つ上の肋骨も、下に引かれるだろう。内肋間筋(外肋間筋のように)は、別々に部分群か全部一緒に収縮するだろう。全部一緒の収縮は単一体として肋骨の全てを下に動かす。内肋間筋の収縮も肋骨間を堅くするので、それらは内圧の変化に耐える。

肋軟骨(内肋間筋軟骨部)の間にある、それらの内肋間筋は、 内肋間筋の残り(肋骨の間にあって、骨間内肋間筋と呼ばれるもの)によって行使される下への引きよりも、むしろ胸郭壁でそれらの収縮が上への引きを行使するように、方向づけられる。このように、内肋間筋軟骨部は、吸気の役割を演ずる。これは、肋間筋(内外の)の2枚の層が、同じく胸郭壁の正面の方へ、しかし、壁の違う別の場所で作用することを意味する。

胸横筋(transversus thoracis)は、胸郭の前面壁の内側にある。それは、下部の胸骨上の正中線、第4または第5肋骨から第7肋軟骨で始まる。この起始から、それは胸郭にわたって扇形に広がり、肋軟骨と第2から第6肋骨の端部に挿入している。胸横筋が収縮するとき、それは第2から第6肋骨を下に引っ張る。

広背筋(latissimus dorsi)は、体の裏側にある。その繊維は上腕骨から始まって、胴の後ろ全体に下に走り、そして、下の6本の胸、腰と仙椎に、そしてと4本の肋骨の低い3本の後ろに挿入する。上腕骨が固定されたとき、下部の肋骨に挿入する繊維の収縮はそれらを上昇させる。筋肉の収縮は、全体として胸郭壁の低い部分を圧縮する。このように、広背筋は吸気力と呼気力を供給することができる。

上後鋸筋serratus posterior superio)は、胸郭壁の高い後側の部分にある。それは、第7頸椎と1番上から3本または4本の胸椎から始まる。下に{彼らが5度を通して肋骨を2度に挿入する} 胸郭の中の筋肉コースの繊維。上後鋸筋が接触するとき、第2から第5肋骨を上げる。

下後鋸筋(serratus posterior inferior)は、胸郭壁の下部の後側部分にある。それは、より低い2本の胸椎および高い2または3本の腰椎から始まる。そこから、その繊維は胸郭を渡って上へ斜めに走り、第9から第12までの肋骨に挿入する。下後鋸筋が収縮するとき、それは下部の4本の肋骨を下に引っ張る。

測腸肋筋(lateral iliocostals)は、体の裏に3つの筋肉を含む。それらは脊柱の側面にあり、頸と腰の部位の間に広がる。頚測腸肋筋(lateral iliocostal cervicis )は、第4から第6までの頸椎で始まる。その繊維は、下・側面の方へ走り、第3から第6肋骨へ挿入する。胸測腸肋筋(lateral iliocostal thoracis)は、上の6本の肋骨から生じる。その繊維は下に走って下の6本の肋骨に挿入する。腰測腸肋筋(lateral iliocostal thoracis)は、腰背筋膜、腰椎と寛骨から始まる。その繊維は、上へ、そして、側の方へ進み、下の6本の肋骨へ挿入する。頸測腸肋筋の収縮は3から6までの肋骨を上げる、そして、腰測腸肋筋の収縮は7から12までの肋骨を降ろす。胸測腸肋筋の収縮は、胸郭壁の部分を安定させて、グループの頸部や腰部の筋肉によって成される、肋骨挙上か肋骨低下のいずれもとともにそれらを移動させる。

肋骨挙筋(serratus posterior superior)は、胸郭壁の裏側の12の筋肉である。それらは第7頸椎および上の11の胸椎から始まる。各々の筋肉は下・外へ走って、起始点の脊椎骨のすぐ下の肋骨に挿入する。下の方の胸郭壁では、繊維は起始点の脊椎骨の下の2つ下の肋骨にも及ぶだろう。肋骨挙筋グループからの個々の筋肉が収縮するとき、それが挿入する肋骨を上に引っ張る。筋肉群が全部一緒に収縮するとき、それはユニットとして肋骨を上へ動かす。

腰方形筋(quadratus lumborum muscle)は、体の裏にある。それは寛骨から起こり、上・正中線の方へ走る。その繊維は、最初の4つ腰椎と第12肋骨に挿入する。腰方形筋が縮むとき、それは第12肋骨を下に引っ張る。

肋骨下筋(subcostals)は、胸郭の後壁内側の筋肉群である。これらは、下部の胸郭で最も開発される。これらの筋肉の繊維は、肋骨の脊柱の近くで始まる。それらは上・側面へ走り、そこですぐ上の肋骨に挿入するか、1,2本の肋骨をとばして、より高い肋骨に付着する。肋骨下筋が緊張するとき、それらが付着する 肋骨を下に引っ張る。

Muscle of the Diaphragm
横隔膜の筋肉

 

図2-2 横隔膜の筋肉

図2-2は、横隔膜の筋肉を描く。横隔膜は、吸気力だけを起こす。

横隔膜(diaphragm)は、胴を2つの区画に分ける複雑な筋肉である。その筋肉は、下部の胸郭の内部の境界線から起始する、そして、胸骨の底、下部の6本の肋骨とそれらの軟骨、そして最初の3または4本の腰椎へ付着する。この起始から、筋肉は、放射状に上へ広がり腱中心(全体としての横隔膜の中心を作る1枚の非弾性組織)の周囲に挿入する。横隔膜が収縮するとき、構造は下がり、胸部は垂直に大きくなる。横隔膜の収縮はさらに、下の6本の肋骨を上げることによって円周方向に胸部も大きくする。胸部の基底を降ろして、その円周を拡大する合同の動作は、胸郭壁と腹壁の相対的な硬さ次第である。

Muscles of the Abdominal Wall
腹壁の筋肉

図2-3 腹壁の筋肉

図2-3は、腹壁の筋肉を表す。これらの筋肉は、胴の正面、側面と後ろにある。腹壁は、呼気の力だけを作り出す。

腹直筋(rectus abdominis)は、正中線を離れて胴の正面にある。それは寛骨から始まって、上へ走って、5から第7までの肋軟骨と下部胸骨に挿入する。この筋肉は、腱ブレークによって4つまたは5つの短い部分に再分割される。筋肉とそのさやは ― その対の仲間とさやに加えて ― 腹壁の表に沿って、中央柱をつくる。腹直筋が収縮するとき、それは下部肋骨と胸骨を下に引っ張って、腹壁の表面を内向きに押し込む。腹直筋の別の部分は、独立した収縮ができる。

外腹斜筋(external oblique )は、下の胸郭壁と腹壁の側面と正面にある。その繊維は、正中線の近くで寛骨と腹部の腱膜から生じるそして、腹壁全域を上に、それらが挿入する下の8本の肋骨の側面へ走る。外腹斜筋が縮むとき、それは下部肋骨を下に引っ張って、腹壁の正面と測面を内側に押し込む。

内腹斜筋(internal oblique )は、胸郭壁と腹壁の側面と正面にある。それは外腹斜筋の下にあって、寛骨と腰背筋膜に 起始を持つ。筋肉の繊維は、腹壁全体に扇形に広がる、そして、腹部の腱膜と下の3日4本の肋骨の肋軟骨に挿入する。内腹斜筋が収縮するとき、それは下部肋骨を下に引っ張って、腹壁の正面と測面を内側に押し込む。

腹横筋(transversus abdominis)は、腹壁の正面と測面にある。それは内腹斜筋の下にある。腹横筋は、{ 12を通して肋骨7の寛骨、腰背筋膜と第7から第12肋軟骨に起始を持つ。筋肉の繊維は、腹壁のまわりを、水平に走り、腹部の腱膜に正面で挿入する。ペアーを組む左右の腹横筋の筋肉は、腹壁の表と測面を取り囲む。腹横筋が収縮するとき、それは腹壁の正面と測面を中に押す。

今、議論された4つの筋肉は、「腹筋」と呼ばれている。しかし、腹壁は完全に胴のまわりを走って、ただ正面と両側以上のものを含む。背中の3つの筋肉は、背中における腹壁の一部でもあり、それらが胸郭壁の一部であるのと同じように腹壁の一部でもある。それらは、広背筋(latissimus dorsi)腰測腸肋筋(lateral iliocostal lumborum)腰方形筋(quadratus lumborum)である。これらの三つは背中に向かって腹壁を横断し、それらが胸郭壁の一部であるのと同じように腹壁の一部である。これらの3つの筋肉が有意な腹壁体積変化をもたらさないとしても、それらは腹壁をこわばらせて、その硬さを変えることができる。

Manifestations of Passive and Active Forces
受動的および能動的力の現れ

呼吸の受動的および能動的力は、2つの方向に明らかにされる。一方は、それらが組織に置く引きを通して、他方はそれらがつくる圧力を通してある。牽引力は複雑で、測定するのが難しい。幸いにも、測定(または、少なくとも、推定)されることができる圧力として、これらの力は、異なる場所で一様に分配される。これらの圧力で最も重要なものは、以下である:(a)肺胞圧力-肺の圧力; (b)胸膜腔内圧-肺の外側(臓側胸膜と壁側胸膜の間)以外の胸部の圧力; (c)腹腔内圧-腹腔の圧力;そして、(d)トランス横隔膜圧力-横隔膜の中の圧力(胸膜腔内圧と腹腔内圧との差)。

MOVEMENTS
動き

動きは、呼吸器がポンプとして機能するのを可能にする。そのような動きが、それらを引き起こす力は別として、ここで考慮される。動きに対する力の関係は、第3章でカバーされる。

Movements of the Rib Cage Wall
胸郭壁の動き

胸郭壁は、肋骨と胸骨の間の(肋胸骨関節)関節、そして、肋骨と脊柱(肋椎関節)の間の関節があるので柔軟である。肋骨の動きは長さと形の違いのために、肋骨ごとに異なる。それでも、2種類の一般的な肋骨運動がある。

1種類目の肋骨運動は、肋骨(そして、胸骨)の前端の垂直可動域に関係する。これは上・前、又は、下・後ろのいずれかの動きで、胸郭の前・後(背腹)の直径がそれぞれ増減する。この動きは、送水ポンプでハンドルの上げ下げのようである。

別の種類の肋骨運動は、胸郭の両側面に沿って肋骨の垂直可動域と関係し、その2つの端の間を結ぶ想像上の線のまわりで各々の肋骨の回転を伴う。これは、上・外、または、下・中のいずれかの動きで、胸郭の側面から側面(横)の直径がそれぞれ増減する。この動きは、水バケツの上でハンドルの上げ下げのようである。

肋骨のポンプ-ハンドルとバケツ-ハンドルの動きが、同時に起こって、胸郭壁の円周と断面区域を変える。胸郭壁の小さな動きでも大量の空気を置き換えることができる。これは、胸郭壁が肺の大きな部分と接触するので、その動きは、肺装置を介しての空気の動きに大きな影響があるためだ。

Movements of the Diaphragm
横隔膜の動き

横隔膜の動きは、下部の6本の肋骨(起始点)と中心腱(付着点)の位置の変化によって起こる。横隔膜の動きは見ことができないが、胸郭壁と腹壁の動きから推論することはできる。横隔膜は、通常ドームの形状である。2種類の動きは、この形状を変えることができる。1つは、曲率半径を減少させ、比較的平らにする。横隔膜が著しく平らにされるとき、その形状は逆にされたパイ・パンに似ている。他のタイプの動きは、構造の曲率半径を増加させ、横隔膜をより上へ突出させ円錐形にする。この動きが顕著なとき、横隔膜は弾丸の先端のようになる。

横隔膜運動のこれらの2つのタイプは、下部の肋骨と腱中心の相関的な定着の異なる組合せから起こる。横隔膜は、肋骨を上げる、そして/または、腱中心が下るので、平らにすることができる。そして、横隔膜は、下部肋骨が下る、そして/または、腱中心が上がるのでより円錐形状になることができる。胸郭壁の底が定着するとき、腱中心の動きは横隔膜の全体的な動きを反映する。この動きは、外面上は腹壁の動きとして認識される。対照的に、腱中心が定着するとき、横隔膜の動きは胸郭壁の動きに反映される。

横隔膜は肺のより小さな部分と接触している ― 胸郭壁であるより。このように、横隔膜は、空気の同一量を動かすために胸郭壁より、より大きな距離を動かさなければならない。

Movements of the Abdominal Wall
腹壁の動き

腹壁の形状は、体型と腹筋の緊張によって決まる。壁は、通常、特に底の近くで、腹腔内容物の気圧勾配のために突き出る。腹腔内圧は、横隔膜の下面から骨盤まで増加する。

2種類の腹壁運動は、壁の普通の外形を変えることができる。1つは、その曲率半径の増加を必要とする。そこで、それは外へ突き出て、脊柱の方へより凹になる。突出部が顕著なとき、胴(内部の見解)は垂直にスライスされた半分の西洋ナシのように見える。他のタイプの腹壁運動は、曲率半径の減少と壁の平坦化を必要とする。

腹腔内容物は圧縮できない(その水のような中身はボリュームに固定される)。このため、腹壁は、横隔膜のように、肺の同じ部分と間接的に接触しているように見える。腹壁(横隔膜のように)は、等価量の空気を動かすために、胸郭壁以上に動かなければならない。


<あなたの目を信じてはいけない>
胸郭壁と腹壁が動くのを見るとき、あなたの目があなたに何を話しているかに注意する必要がある。2つの体系の動きの同一量は、空気の同一量が動かされていることを意味すると考える傾向がある。 これは、そうでない。隣接したテキストに述べられたように、胸郭壁は腹壁より、肺のより大きな部分と交信する。このように、あなたの目によって観察される同一量の運動に関して、腹壁より胸郭壁によってより多くの空気が動かされている。それらの嘘をつく目に気をつけなさい。


REVIEW
復習

呼吸のメカニカル・レベルは、力と動きに関係する。

呼吸の力には2つのタイプがある-受動的(内在するもの)、能動的(意志と能力によるもの)。

呼吸の受動的な力は、組織の自然な反動、肺胞の中の表面張力、そして重力から起こる、そして、その大きさと方向(吸気か呼気)は、呼吸器の中に空気がどれぐらいかによる。

呼吸の能動的な力は、胸壁の20以上の筋肉から起こる、そして、どの筋肉が能動的か(そしてどんな種類か)そして、呼吸器官の中に空気がどれぐらいあるかによる、力の大きさと方向を持つ。

胸郭壁の筋肉には、胸郭壁を動かしてその硬さを変えるために吸気力と呼気力を生み出す頸部と胸郭の筋肉が含まれる。

横隔膜は、組織の降下を通して垂直に胸部を大きくする、 あるいは、下部の6本の肋骨を上げることによって円周方向に胸部を大きくする吸気力を生じることができる 。

腹壁筋は、下部の胴を取り囲むみ、腹壁を中へ動かしその硬さを変える呼気力を生じることができる。

受動的および能動的力は、引きと圧力として表すことができる。そして、最も重要な圧力は肺胞圧、胸膜圧、腹圧、そして、経横隔膜圧である。

呼吸運動は、呼吸器官がポンプとして機能するのを可能にする。

胸郭壁の動きには、その大きさに変化をもたらし、肺組織を通しての空気の移動に重要な影響を与える。

横隔膜の動きは、下部の6本の肋骨と腱中心の相対的な固定のそれぞれの組合せに依存している。

腹壁の動きは、その大きさを変化させる、そして、胸郭壁による同じ大きさの動きより、肺器官による方が、空気の移動に対して少なからず重要な影響がある。

 

2019/02/03 訳:山本隆則