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IS THERE A FINAL OBJECTIVE IN SINGING?
歌に最終目的はあるのだろうか?
Yes, there is a two-fold aim
そう、その目的は2つある
この章のTipで紹介されている2つの目的を達成することができれば、あなたの歌は聴衆にとてもよく伝わるでしょう。イタリア人たちは、この2つの目的が歌の最終目的であることを信じて疑いませんでした。
268.クレシェンティーニ&ナヴァ–心地よい感覚を呼び起こし、魂を揺さぶる
Tip 268
歌の最終的な目的について、イタリアの2つのソースが同じことを言っています。[後注472]
1810年と1825年のクレシェンティーニ:
歌の最初の、そして唯一の正当な目的は
・ 心地よい感覚を呼び起こすこと
・ そして心を動かすこと。
1870年のナヴァもまったく同じことを述べています:
すばらしい声の効果は2つある:
・ふくよかで調和のとれた力強い音、または繊細で甘く柔らかい音で、耳に心地よい印象を与える;
・そして、詩と結びついた音楽によって表現できるすべての情熱へと(いかなる人工的な楽器よりも強く)魂を動かす。
コメント
クレシェンティーニは、前者については次のように付け加えて
… 歌手が歌うことに苦労していると観客が感じれば、喜びよりも苦痛の方が大きくなる。
そして、後者について
音楽は、その演奏者(芸術家)の心と精神の両方を映し出すものであり、それゆえ、繊細なフィーリングの心、鋭い洞察力、適切な理解力が必要なのだ……
クレシェンティーニの選び抜かれたフレーズは、私たちをとてもよく導いてくれます。
[後注 472]
ミュージシャンなら誰でも、演奏が聴衆の心に “響いた “ときの思い出があるはずです。何年か前、ローマのアカデミア・ディ・サンタ・チェチーリアでマタイ受難曲を歌ったとき、演奏が終わる頃には観客の顔に涙が流れていたのを覚えています。
2024/01/02 訳:山本隆則