chiaro は明るい、oscuro は暗いを意味するイタリア語。美術の用語、明暗法から借用したもの。
音楽史でこの用語は、1774年に初めてGiambattista Mancini の Pensieri e riflessioni patiche sopra il canto figurato で使われた。その中でマンチーニはゆっくりした音階をいかにして練習するかを教え、そして次のように言いました;「このエクササイズは、キアロスクーロで色づけされたカンティレーナ(叙情的旋律)を形作る真の表現によってあらゆるパッセージを思いのままに色づけすることを[歌手に]マスターさせるだろう、それ故、歌唱の全てのスタイルに欠かせない。」
19世紀後半の最も有名な声楽教師の一人である、Giovanni Battista Lamperti にとっても、依然として声の理想であった。「たとえ君が広い音域を獲得できたとしても、声の共鳴が丸く豊かなキアロスクーロになるまでは、声を変調させることは出来ない。”dark-light” トーンは絶えず存在しなければならない。」[W.E. Brown, Vocal Wisdom 1957, p.38-9]
現代では、Richard Miller が、キアロスクーロは、「高度に訓練されたプロフェッショナルな歌声の修練された技巧的なサウンドの必然的な形である」と考えている。彼は言う、
「このような用語の1つが明暗法である。そして、それは文字通り明るい/暗い音を意味する、そして、喉頭音源と共鳴システムは、求められるそのバランスのよい音質-歌手が『共鳴する』と言う音質ーとして耳の肥えたリスナーに知覚される倍音のスペクトラムを示すように互いに影響し合っているように思われる歌声の基本的な音質を示している。」[Transcripts 1983, 2:135]
resonance