呼吸筋の中で呼気時に使われる筋肉。内肋間筋、腹筋、胸横筋等であるが、歌唱中の呼吸で、重要な働きをするのは内肋間筋である。フースラーとロッドマーリングは、胸横筋のイラストにわざわざ甲状軟骨と胸鎖甲状筋を付けたものを載せて、胸横筋と喉頭の関係を暗示しています。内肋間筋と胸横筋は、胸郭の裏側の感覚として感じることができ、それらが腹筋群とコーディネイトしたとき、声帯の好ましい締まりと声帯下圧に対する抵抗を実感することが出来る。それらの呼気筋群と吸気筋である外肋間筋を拮抗させることによって、声帯下圧と声門抵抗の平衡が達せられる。
呼吸の過程に於いて、通常、呼気時に満たされた肺は、満たされた程度によって収縮しようとする力が増すのでそれ以上に声帯下圧を、呼気筋を使って加圧する必要は無いが、高音や強い音声が必要なときに少しの加圧が必要となる。このような、胸郭の内側と外側の筋肉の独立した操作が可能となったとき、換言すると、喉頭音源を生み出すエネルギーとなる声門下圧のコントロールが可能になったとき、声帯振動は自由を獲得することが出来る。(appoggio の項を参照)