Chapter 4
REGISTRATION

by  William Vennard

p.52

喉頭の枠組み

201  ヴォイス・ボックスは、2つの大きな軟骨のかけらで構成されていることがわかる。気管の最上位には、もう1個の他のものより大きなリング状の軟骨があり、輪状軟骨と呼ばれている。それは卵形で、前後に長い軸で、認印付き指輪のように形づくられ、後部で上へ伸びるいくらか平らな矩形の板を持っている。それは後部で閉ざされた完全なリングの唯一の軟骨である。喉頭のもう一方の大きな軟骨は、甲状軟骨である。それはV型で、2つの側面(薄板)または翼(翼)を持ち、前部で融合されている。後部の開口部は、輪状軟骨の板で、部分的に満たされている。
甲状軟骨の先端は、たいてい喉の皮膚の下に突き出て、のどぼとけと呼ばれる。指であなたのものにさわってみると、切込みが最上部にあるのがわかるだろう、そこでは2つの翼がつながっている。あなたが、片方の小指をもう一方に合わせ、手のひらと上に伸びている親指の間に数インチ離して輪を作るならば、あなたの手は甲状軟骨の形におよそ近づくでしょう。切込みは、人さし指の間にできる空間となるでしょう。親指は、上角または上の角を示すでしょう。

203  あなたが多指症の奇形で苦しまない限り、下角を表すための指はすでに手にはないでしょう、しかし、下に伸びる2本の低い角が親指の真下にあると想像することができる。それらは上角より短く、靭帯と筋肉によって輪状軟骨の側面に付けられる。そして、輪状軟骨のリングから上がって、甲状軟骨の後ろで空間を部分的に満たす平らなプレートのそばに回転軸を形づくる。このプレートの曲がり角の近くで、輪状軟骨の両側面の上の縁に、披裂軟骨と呼ばれる2つの小さいが最も重要な軟骨が付着している。

204このように、我々は忘れてはならない、視覚化すべき4つの重要な軟骨を持っている。その3つの名前は:
第1には、輪状軟骨、ギリシア語で「リング」を意味する、対称形であるが単一のパーツ。第2は、甲状軟骨、「楯」を意味し、2つの片方づつが前部で融合している。第3は、披裂軟骨、「ひしゃく」を意味し、ひしゃくの形をした一対の小さな軟骨であるが、ひしゃくよりはかなり不規則な形をしている。各々は、3つの突起またはとがった先を持ち、甲状軟骨の切込みの方へ前に伸びるとがった先が声帯突起、あるいは、声門突起と呼ばれる。両面で、右の披裂軟骨で右に、左の披裂軟骨で左に伸びている部分は、筋肉突起である。
各々の上へ向かう突起は、頭または先端と呼ばれる。先端に柔軟に付着しているのは別の軟骨で、ひしゃくのハンドルか、または、角のように後ろにカーブしている。それらは小角(角状の)軟骨と呼ばれ、発見者のSantoriniにちなんで名づけられた。喉頭の画像の中で、Santoriniの軟骨を通して見ることによって、披裂軟骨がどのようになっているかを判断する。我々が喉頭鏡で披裂軟骨のことを確かめることが出来るのは、サントリーニ軟骨と声帯突起以外にはない。

205  これらのフレームワークの4つの要素に加えて、単独の骨が言及されなければならない。舌骨は、甲状軟骨より上の舌の土台に、指を当てることで感じることができる。背部にU型に開いている。ヴォイス・ボックスは、その舌骨からつりさげられている。
我々がすでに言及したさらなる1つ軟骨。それは、喉頭蓋(葉っぱの形ちをしたヴォイス・ボックスのための蓋)である。それは甲状軟骨に取り付けられ、筋肉は両側面で下の方に走り披裂軟骨に付着していて、喉頭の頂上で披裂喉頭蓋ヒダと呼ばれる襟のような形をつくっている。女性のドレスの襟の中の鯨のひげのように硬化したこれらの帯は、Wrisbergの軟骨である。それらは、披裂軟骨の近くにある。甲状軟骨の上角から舌骨の先まで走る靭帯のなかは、麦粒軟骨と呼ばれる2つの塊りである。これらとWrisbergの軟骨は下等動物では重要であるが、人間では役立たない痕跡にしかすぎない。[W. Vennard, Singing  p.52]