voice source 直訳すると「声の音源」で、音声源と訳している辞書もある。スンドベリの「歌声の科学」榊原訳では、喉頭音源としている。
発声(phonation) に於いて、空気流が声帯を通過することにより、声帯は、最初の音を生み出す。この音を、喉頭音源と呼ぶ。
喉頭音源は声道(vocal tract) を通過することで音響的に整形される。どのように声道によって整形されるかは、声道形状に依存し、声道形状は調音(articulation) により制御される。[Sundberg,  p.9-10]

‘voice source’ 喉頭音源とは、この音声信号が声道によって変化させられる前の声帯の振動によってつくり出された生のサウンドである。多くの研究は強い声門閉鎖は、かなり高い声門下圧と少量の空気流を伴って大きな閉鎖率と閉鎖の速い速度をつくり出すことを明らかにしてきた。これは、結果的に高エネルギーの豊かな基音スペクトラムになる。「声門閉鎖位相の終わりにゼロに向かう空気流の減少が速ければ速いほど、より豊かでより強い上音スペクトラムとなる。(Rothenberg, Miller と Molitor  1988, 246)  他方、内転が弱いほど、より大きな開放率を生み出し、より高い空気流とより低い声門下圧となり、その結果としてより小さな、より弱い上音になる。
よく訓練された歌手は、異なる音楽スタイルの様式的要求に応ずるための音質の多様性を創るために、内転、閉鎖比率、そして空気流量をコントロールすることが出来る。[Stark, Bel Canto. p.28-29]