IF IN DOUBT, BREATHE OUT!
Breathing and Support for Singing
based on the Accent Method
迷ったら、息を吐け!
アクセント法に基づく歌唱のための呼吸と支え
Ron Morris、Linda Hutchison著

第4章
歌唱のためのアクセント法への修正
Modifications to the Accent Method for singing

標準的なアクセント法の多くは、歌唱のために十分に有効である。方法で最も重要な側面は、わずかな修正で歌唱に適応される。


歌の呼吸に於けるアクセント法の長所は:
・それは、全てのボーカル・システムで機能する
・それは、腹部-横隔膜呼吸(abdomino-diaphragmatic breathing)を開発する
・それは、優れた声帯閉鎖を促進する
・それは、強さ、柔軟性と持久力を高める
・それは、筋肉と呼吸エネルギーのバランスをとる
・それは、腹筋の細かいコントロールを助ける
・それは、呼吸と声の連携作用を促進する
・それは、声のダイナミックレンジを増やす
・エクササイズの反復的な性格は、無意識の学習を促す
・呼吸パターンは、自動的になる
・それは、すべての声で、自由とリラクゼーションを促進する


しかし、歌唱のためにはいくらかの調整が必要とされる。主な違いは、歌唱には、一般に支えとして知られている余分の筋肉エネルギーが求められることである。標準的なアクセント法は徐々にゆっくり時間をかけて筋肉を訓練する、しかし、歌唱のためには、直接より多くの筋肉のエネルギーを導入する必要がある。
例えば、笑う、叫ぶ、うなる、呼びかけるときの響きは、歌手が 、後に必要とされる筋肉活動を感じるのを助ける。この筋肉回路は加えられる必要があり、したがって歌手にとってエクササイズの不可欠な部分となる。

標準的なアクセント法では、狭母音がしばしば使われる。歌手に対して、我々はより摩擦音を使う傾向がある。その理由は:
・摩擦音は、半分閉塞された声道の音である。それらは背圧(back pressure)をつくる。そして、良好な声帯閉鎖を促す
・それらは、母音より高い空気流を持つ
・それらは、空気流をモニターすることをより簡単にする
・それらは、ノドを開けながら、サポート・システムとつながるのを助ける。

アクセント法では、初期段階において、吸気期間が呼気期間と同じ長さまで伸ばされる。我々は、トレーニングにおいて、早い時期から短い吸気を使おうとする。その吸気は、単に息を吐いたことに対する反動または応答でしかない 。歌手が、迅速かつ効率よく息を吸い込むことができることは重要である。支えの筋肉(support muscles)は、吸気の間、関与してはならない。吸気自体は、パフォーマンスではない!

歌唱において、我々は話す際より非常に長い時間呼吸を管理することを要求される。より複雑なリズムを使うことは、呼吸を伸ばし、より細かいコントロールを獲得することを助ける。ゆっくりしたものから速いものに、単純なものからより複雑なものに進む根本方針は、きわめて重要なままで、初期段階を急いで通り過ぎてはならない。一旦、初期段階がマスターされるならば、歌手はより複雑なリズムによって最大限有効に働くことになる。

男性と女性は違う呼吸をするとよく言われる。実際には、呼吸の解剖学と生理学は、男性と女性の両方にとって同じである。しかしながら、骨盤底の構造と機能の違いは存在する。腹部-横隔膜呼吸をしているとき、男性は臍のまわりで腹壁の動きをより感じる、ところが、女性はそれをより下で感じるだろう。歌手にアクセント法を教えるとき、これを心に留めておくことは重要である。呼吸をモニターするとき、我々は、下の腹部に置いた手で母指を臍に置くことを提案する。これは、性別に関係なく十分なフィードバックを確実にする!

2019/01/04  訳:山本隆則