軟口蓋が挙上して咽頭鼻部と口部が遮断される場合、軟口蓋が接触するあたりの咽頭後壁が収縮で盛り上がって、横に走る隆起を作る。 これをパッサヴァン隆起といいます。

発話や歌唱におけるこの組織の働きは、鼻腔への息の流れを遮断するために口蓋帆咽頭閉鎖を行いますが、その際、軟口蓋が上昇し喉咽頭壁と前後に密着し、測咽頭壁が、左右に密着します。この閉鎖が行われるとき、後咽頭壁の動きは最も少ないものでですが、特に歌い手にとっては、軟口蓋が後ろに上昇するだけではなく、後壁が前に肩身区という感覚を持つことは重要なことです。

後咽頭壁の動き
口蓋帆咽頭閉鎖時には後咽頭壁の前方への動きがあったとしても、咽頭後壁の閉鎖への寄与は、口蓋帆や側咽頭壁のそれに比べてはるかに少ないようです。(Iglesiasほか、1980; Magen、Kang、TiedeとWhalen、2003)。

Gustav Passavantによって1800年代に最初に記述されたパッサヴァン隆起は、恒久的な組織ではありません。その代わりに、それは、咽頭後壁にある明らかな領域で、口蓋帆咽頭運動中に前方に不規則に膨らみ、そのあと、鼻呼吸時や口蓋帆咽頭活動が停止した時に消失します(Glaser、Skolnick、McWilliamsとShprintzen、1979; SkolnickとCohn、1989)。パッサヴァン隆起は、上咽頭収縮筋の特定の線維の収縮によって形成されると考えられています。隆起の垂直方向の位置は個体差があるが、通常は口蓋帆咽頭接点の部位の下の壁であり、口蓋帆咽頭閉鎖の要因にはならないように見えます。(Glsserほか、1979)。通常の話者におけるパッサヴァンの発生率の報告は、わずか9.5%から80%にも及びます(Casey & Emrich, 1988; Finkelstein et al., 1991; Skolnick, Shpritzen, McCall, & Rakoff, 1996)。

[Moon & Kuehn (2004) 訳:山本隆則]