[W. Vennard, Singing  1967/1949]

「良い共鳴」の本質 (429-430)
429 トーンを十分に共鳴させるための2つの必要条件がある。それは通常「リング」と呼ばれる音質を持たなければならず、振動数「2800」を意味するとおもわれる。これは、いくつかの小さな共鳴体(おそらく喉頭のえり)が正しく機能しなければならないことを意味し、この輝きをおおって、破壊するような他の気道を形づくることではないだろう。同時に、我々は、かん高い声にならないために、できるだけ多くの低い部分音を音の中に強化しなければならない。高い部分音だけだと、オーボエまたはクラリネット(図9の中でそれらのスペクトラムを見る)のように「かん高い」声を作るだろう;しかし、低い部分音は、例えば、ホルン(また、図9に示される)の音のように「柔らかさ」を付け加える。低い周波数は大きな共鳴体を必要とする、そして、咽頭を開けることは音の柔らかさにとって必須である。声は、上手に生成されるために、これらの音質の両方を必要とする。
430 生徒はこの事実を理解するまで混乱するだろう。ある時、教師は輝きを要求するだろう、そして、生徒がかん高い音を出すとすぐに、彼の教師は反対のものを要求するだろう。かわいそうな生徒がこの要求を満たそうとするとき、教師は音を「のみこまない」ように彼に教えるだろう。その段階が、これらが両極端になるのではなく、1つの完全に丸くされた声に含まれる両極性であるということが明らかにならない限り、それは、教師が了解することができないように思われるだろう。それは、あらゆる歌手が、音に可能な限りの輝かしさと可能な限りの深さを同時に獲得するための目標でなければならない。