Tetrazzini, Luisa, and Enrico Caruso. The Art of Singing. New York: Metropolitan Co., 1909. Reprinted, New York: Da Capo Press, 1975.
この本の後半は、カルーソーによって書かれた。 翻訳書は、川口豊の訳で、1995年にシンフォニアから出版されている。(日本版では、前半がカルーソーで、後半にテトラツィーニとなっている。)
The Art of Singingに対するTetrazzini夫人の貢献は、歌唱上の助言に対する解説と伝統的な指針である。理論についてはほとんど時間を費やず、正しい音生成をもたらす肉体的な動きについて示唆する。[The Art of Singing, Brent J. Monahan, p. 290]
翻訳版でも、全体で70ペ―ジ弱を2人出分けて書かれた小冊子。カルーソーは自身の発声技巧についてまとまった記述はなく、この本でも2~3ページに満たない。
テトラツィーニは、この本以外に、How to Sing 1923年初版があり、なんと、1926年(大正15年12月15日)にARSから小松平五郎の訳で出版されています。
Monahan が言うように,この本では理論的な要素よりも,歌手が実際に声を出すときの,肉体的、感覚的な記述が多く、初学者には表面的には読めても理解するのは難しいように思えます。しかし、実際に自分でも声を出し,ある程度の理論的なことも理解できている人々にとっては重要なことを具体的に書いているので非常に興味深いものとなっています。