「声区」(register) と言う用語について、一般的に受け入れられている明確な定義は存在しない。最も一般的な説明は、「声区とは、その域内でのすべての音が同様に生成されて同様の音質を持つと知覚される、その発声周波数域」のことである。[Sundberg, 1987]
ガルシアは、声区を次のように定義した。
「声区(レジスター)という語によって、我々は、同じメカニカル原理によって生成され、低音から高音まで連続する同種の音声の連なりを意味する。そして、それらの性質は、別のメカニカル原理によって生成されて、基本的に等しく連続する同種の音声の別の連なりと異なる。
人が音声に対して決めた音質、または、力にどのような変更があったとしても、同じ声区に属しているすべての音声は結果的に同じ性質である。」(Garcia 1847、1:6、1984、xli)
Hollien(1974) は、声区を次の様に定義した。
声区は、完全に喉頭における事象である。 声区とは、ほぼ同一の音質で発声される連続する声の周波数の領域、または列のことで、…声の基本周波数に於いては、少々の重複が生ずるものの、…実際の声区の定義は、これを裏付ける知覚的、音響的、生理的、および空気力学的根拠に依存すべきである。