成人男性において、声帯の高さから唇への間隔は、およそ17cmである。咽頭(円錐形筋肉腱のチューブ)は、頭蓋骨の底から第6頸椎の高さまで伸びて、長さおよそ12cmである。それは、最も広いところで約4cmの幅で、前後に約2cmである。喉頭前部の高さと後ろの第6頸椎で、幅約2.5cmまでかなり狭くなる。
その最も低い末端で、咽頭は食道に連続する、そして、この高さで、前部と後部咽頭壁は互いと直接接触してあって、食道だけに食物を通すために分かれる。ある意味では、全咽頭の筋肉配列は、腹のものと酷似している。それは円をなして括約筋状である、しかし、頭蓋骨の底に向けて、咽頭は実際に少し拡大することができる。
スピーチ生成に対する咽頭の貢献は、充分に理解されない。その機能が共鳴についてのものであり、声道の音響特性に、そして、喉頭のレベルで発生する音源素材のエネルギー分布の変更に、それが著しく関与することは、確かに知られている。
咽頭は、スピーチ生成に於いて、特に活動的な組織ではない。つまり、声道のサイズと形状における変化は、咽頭の筋肉壁の変化によってもたらされるのではなく、むしろ、舌の動き、そして、咽頭が非常に密接に関係する軟口蓋の動き、そして、喉頭の上昇と低下、等々の変更によって起こることによってもたらされる。
しかしながら、最近、X線映画透視法と筋電図記録法の貢献は、咽頭形状のいくつかの特によく理解されなかった変化が、スピーチ生成の間に起こることを示した。
咽頭腔は、鼻部口部喉頭部に分割することができる。[Zemlin, p.341]